受注に生産追いつかず
伸びしろ拡大し地球会社に脱皮
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OSG(6136)は攻勢。1、2Q 巻き返し。拡大基調が続いている。自動車、金型、航空機産業などユーザーニーズを物語るもので、国内外堅調。3、4Q強気だ。主力のタップ、超硬ドリル・エンドミル、ハイスドリルが活況。海外売上高比率57.5%(前年同期55.3%)で折り返した。連結10.0%増収7.3%営業減益だが、韓国で未払い残業代の一時金を計上したほか円高が主因。2015年デグランジェス(仏)、16年アマムコ(米)、同ソムタ(南ア)買収に伴うのれん償却を吸収。2期振り増収増益の見通し。9月20日前CEO(大沢輝秀氏=享年78)の1周忌を控え、墓前に報告する上で追い込みを期待できる。2Qの連結在庫219億円(前年同期209億円)。買収を加味しても受注に生産が追いつかず欠品が出ている模様。このため、設備投資を95億円(計画80億円)に見直した。大手ユーザー・カタログ品戦略を基本に主力製品の世界シェアトップが長期ビジョン。大手より中小の工具メーカーと組み「出稼ぎ地球会社」の伸びしろ拡大。連結売上高1500億円、営業利益300億円(2020年11月期)を掲げ新たなステップに入った。来年設立80周年を数えるだけに事業100年の詰め。過半を占める自動車、金型、航空機のほか成長分野の新規大手ユーザー開拓に意欲的だ。前回述べたように、摩耗した切削工具のコーティング、保守メンテナンスにも傾注し、米中独など世界12ヵ国(前11月期)でコーティングセンター稼働中。国内も子会社の新城・群馬工場で納期半分。ピッチが上がってきた。攻守とも不可欠で健全なアプローチ。第2の創業が大詰めを迎え、AI・ロボット・IoT革命を通じて次の100年の助走が始まる。石川社長(61)が就任10年で絶好のポジションにつけた。会社と同運であり獅子奮迅の活躍振り。来年半ばまで安定している。航空機向けが全体の10%超になり、大手ユーザーのナローボディー対応が焦点。こなすと中長期20~30%も考えられる。暮れにスポンサー契約したスペースラブリ(宇宙ゴミ回収)がシンポールで打ち上げられる運びだ。
2017年11月期(連結)は、売上高1180億円(11.8%増)、営業利益195億円(6.9%増)、経常利益190億円(6.7%増)、純利益115億円(13.5%増)に修正なし。配当44円(中間21円)の予定。予想以上に健闘している。欧米で自動車のEVシフトが伝えられ、部品点数半減といわれるだけに新たな対応急務。10年や20年仕込みに追われそうだ。一方、トランプ旋風の吹き荒れたメキシコが順調とあってやれやれの印象。北朝鮮と米国の応酬に動じる気配もない。時価総額2206億円(8月28日現在)。連結純資産(1086億円)の倍以上になった。仏米や南アの子会社など海外が伸びると、次の100年地球会社に脱皮する。