証券ビュー

森羅万象

へっぴり腰 軌道修正は早いがよい (2017.07.31)

昭和の風林史(昭和五四年七月二十六日掲載分)
昔の相場です 腐っても赤ダイヤ
赤いダイヤは赤いダイヤなのである。
昔の名前で出ています。
五千円台の押しは静かに買うがよい。
「熱砂走るひびき少女の重さだけ 誓子」
あの頃といっても、つい半月前に
五千円までは一本道だと言っても?そんな馬鹿な〟
という空気だった。
小豆先限は五千円に乗せた。
五千円台で押し目が入るとよい。
その押し目は買い場になる。
小波動三段上げして、これが大相場初期の一と波動。
三コ小隊で一コ中隊と考えればよい。
三コ中隊で一コ大隊。三コ大隊で一連隊。
三コ連隊で一コ師団というふうに。
まだ、本当に強気になり切れない市場だ。
おっかなへっぴり腰である。
なまじっか買い仕手が存在しないから相場は、
非常に素直だし、オーソドックスである。
五年前、十年前の小豆相場、
いわゆるクラシックな波動である。
行く先は三万円台だと思う。
十一月までは、弱気しないほうがよい。
弱気の病気にかかると、
初期の一段上げの中の小波動三ツで
天井に見えたりする。
五千円台で押し目が入ると、
これが中段の上げのエネルギーになる。
相場は中段の上げが最もよく伸びる。
以前に書いたが、
高回り三年目の年回りである八月の低温で、
恐らく不作決定となり、
北海道の古品小豆は新穀に化けるだろう。
秋は早いようだ。出回りは遅れよう。
他商品がいまひとつ判りにくいから
投機資金は小豆に集中しよう。
人々は?赤いダイヤ〟を敬遠していると思っているが、
それは一、二年前までの事で、
新しい投機層は違った感覚で小豆をとらえている。
?赤いダイヤ〟は、
あくまでも?赤いダイヤ〟である。
人々は、ここ三、五年の仕手相場で、
仕手相場でない相場を忘れてしまったが、
昔の相場、昔の名前で出ていますというところ。
見ていると利食いが早い。
やれやれで降りている。
降りたあと高いと今度は売ってくるだろう。
この相場の芯を掴みきった人は、
安値を売っていても、ドテン買ってくるはずだ。
軌道修正は早いほうがよいし、充分間に合う。
25日は天神祭り。
本紙五千号の祝電とお祝の麦酒が
次から次にとどけられ、
山本博康先生からも麦酒を百本もお祝にいただいた。
有り難う御ざいます。
五千号で相場も五千円に乗っけましたねと、
多くの方々から祝福を受けた。
気を引き締め、念力をかけていかなければならない。
●編集部註
 池波正太郎の〝仕掛人〟や、
さだまさしの〝目が点〟のように、
その後も生き残る言葉を作った人間は強い。
梶山季之は昭和50年に亡くなっているが、
著書の題名である〝赤いダイヤ〟という言葉は、
見事に生き残った。