二幕上がり注目集まる
やればやるほど天が味方する社運
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サンゲツ(8130)は右肩上がり。1Q比較的堅調。「第3の創業」二幕が上がった。基盤整備と事業再構築を巡るもので、前中期計画(2014~16年)実行済施策14に対し未実現・不十分施策9。懸案消化に取り組む一方、新中期計画(2017~19年)を通じて定量目標もステップアップ。連結売上高1650~1750億円が視野に入った。インテリア1220~1260億円(前期1165億円)、エクステリア155~160億円(同147億円)、照明50億円(同42億円)。さらに、海外225~280億円(同)が目安。創業160年、設立60年を踏まえオーナー経営から脱皮。市場を起点に社員自ら経営を担う「第3の創業」急ピッチ。1年が10年に相当する印象だ。直近3年で女性管理職10.6%(2014年6.3%)、入社3年以内離職率も従来20%前後から大幅に改善。時代の変化に伴う女性や若手の意識が変わり始めた。前計画で連結売上高1400億円が未達。政策経費が先行し営業減益になったことから販管費の改善に意欲。米国コロシール社(壁装材大手)がファンドから解放され、同社と意思疎通できた模様で今後楽しみだ。世界の壁紙市場を見ると、中国とロシア、アジアにも開拓余地があり海外がフロンティアになった。国内も、前期インテリア事業で仙台・沖縄・金沢3拠点に新たなショールームを設置。物流拠点の新設・統廃合や基幹システム更新などグループ全体で設備投資63億9000万円。ほぼ仕込みが一巡した。今期の住宅着工3.8%減(2016年度5.8%増)、リフォーム1.4%増(同3.1%減)、非住宅も0.2%増(同3.7%増)の見込み。シビアに受け止めているが、日銀の推計でGDPギャップが解消し、潜在成長率0%台後半に浮上。このうえ、総裁再任、インフレ率2%墨守となれば五輪間際まで景気後退なし。それに、名鉄(9048)の名古屋駅新ビル30階建て400m。2020年着工・27年リニア開業までに竣工予定。総工費延べ2000億円といわれ特大の材料もカウントダウン。新中期計画を逐一消化しないと間に合わない。
2018年3月期(連結)は、売上高1560億円(15.0%増)、営業利益76億円(0.4%増)、経常利益81億円(3.2%減)、純利益55億円(16.3%減)の見通し。さらに増配し55円配当(中間27.5円)の予定。設備投資20億円の計画。6月23日の総会に出席者100人超。スライドを使った丁寧な進行で50分程度。これまで仕込み80点といわれ上々の経過。現実的な場面で力を発揮できる社運。やればやるほど天が味方し後半尻上がり。安田社長(67)も同運で拍車がかかる見込み。五輪後止まらない公算さえ考えられる。それだけに、前期後半の追い込みを受けて今期の仕込みが新中期計画を左右しそうだ。今年2月、ハーバードで同社への投資が教材に使われ、国内外で注目を集めている。