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企業レポート

時代が変化する時 中部鋼鈑 5月31日 (2017.05.30)

6月22日から新体制
中国の鋼材洪水しのぎ反転攻勢
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中部鋼鈑(5461)は反転攻勢。前期、中国の鋼材洪水をしのぎ15円配当(当初10円)を表明。5月2日、トップ人事を明らかにした。創業60年から丸7期、混乱を収拾した太田社長が取締役相談役。プロパー重松常務(60)の昇格が決まり6月22日付。販売量60万トンが目玉の中期計画(2015~17年度)を踏まえ難局打開を目指す。井上元社長(故人)同様九大出身で工学部だけに理詰めの印象。時代が変化する時、データのほかファジーも必要でAIの先を行く場面。解が一つと限らない。主要取引先のうち九州数%といわれながら太いご縁。会社が2016~18年調整運に置かれじっと我慢。どんな事態も前向きなら解決できるという。全国でもユニークな厚板専業大手で産業機械57.6%、土木・建築30.0%(2015年度)に独自の地歩。グループで鉄鋼関連93.2%、レンタル1.5%、物流1.1%、エンジニアリング4.2%(2016年度)の構成。20年東京五輪、27年リニア開業を控え、首都圏に地元名古屋。追って、関西もビジネスチャンス。産業機械、土木・建築に予想以上の特需が見込まれる。戦後、列島改造論、バブル崩壊を通じて70年余り。社会インフラの更新が息の長いテーマ。国や自治体のハコモノ運営が行き詰まり、今後民間主導に切り替わるためだ。名古屋駅スーパーターミナル構想が一例。100年に一度の大掛かりな工事でロングラン。タフでないともたない。同社にとって100年企業(2050年)を左右するポジション。仕込み次第でモノになりそうだ。13年3月期アク抜けし、直近4期スクラップと製品安が綱引き。昨年11月流れが変わりよくしのいだ。期待先行の米中政権に対し反動を加味して出番待ち。年明け早々、中期計画発表前の高値(2014年9月630円)を抜いた。小ロット、多品種、短納期に徹し、顧客信頼度№1をコンセプトに、09年3月立ち上げた省エネ推進委員会が後押し。損益分岐点の改善に貢献。子会社がベトナムのハノイ郊外で昨年9月稼働したエンジニアリング事業も将来の布石。鋼材輸出もそうで、前期台湾向け成約が興味深い。条件さえ合えば、進んで応じる意向だ。
2018年3月期(連結)は、売上高441億円(21.4%増)、営業利益33億円(6.8%増)、経常利益同(8.4%増)、純利益22億円(7.9%増)の見通し。配当16円(中間8円)の予定。設備投資20億円(前期同)の計画。トヨタ(7203)が自動車用鋼材を4~9月トン3000円引き上げ追い風。昨年4月から同3000円値下げし、10月以降据え置いた経緯から3年半振りだ。造船底入れ、産機反転、建築・土木堅調といわれ久々に好スタート。債券から株バブル再燃が伝えられる市場にひきかえ地についている。中国の一帯一路構想にも冷静で新体制タイムリー。6月22日の総会から重松新社長のハネムーン100日が初動。連結事業基盤強化をはじめ、中期計画に盛った4つの課題消化にグループ一丸となって取り組む。

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