「水影ののぼるが如し水芭蕉」 枝幸 (2017.04.12)
昭和の風林史(昭和五十年四月七日掲載分)
買い線買い線 またまた買い線
手亡の売り方、バルカン戦線異常あり。
秘められた手亡の魔力発揮せん。大相場だ。
「水影ののぼるが如し水芭蕉 枝幸」
二連休前の四月四日の大引け手亡は
前日の陽線を抱き込んで目の醒める大陽線を立てた。
この線は踏み上げ線だ。
期近限月で千六百円弱。
先限で千百円強を突っ走った相場は、
仮りに今週押し目を入れるとしても、
あなどることの出来ない強いものを持っている。
底を打った相場はこれだから怖い。
筆者の言う、川底の砂に足の裏がとどいた相場だ。
線型で先限一万三千五百円あたり、
押し目を入れる場所である。
時に、三千五百円まで行かぬうちに
押してくるかもしれないが、
上のほうに行くだけ行って押すよりは
早い目に押しておくほうが相場のスケールは大きくなる。
新値で見る方法だと三月27日の大底から五本である。
相場のリズムは三、五、七、十二、十五である。
三手返し、五手返しという言葉もあるぐらいだ。
もとより、
押し目は強気で対処すべき相場になっている。
なぜかといえば、底が入った→出直った→
若い相場→深い取り組み→活発な市場であるからだ。
売り方も防戦するだろう。
このままV字返しで二千五百丁、
まともにはねられてはバルカン戦線異常あり。
場勘場勘で金庫が冷える。
六、七月限は高値から一気に半値ないし
半値強の戻しであるから、単なる売り込みの反動とか、
自律戻しなどというものではなく、
大直りの相場というべきだ。
Pが怖い時代から、Pがなんだいという市場の人気。
カードが裏返って、裏がおもてに、おもてが裏に
世の中さまざま、丸いたまごも切りようで四角。
さて、とりあえず上値の急所が、
どのあたりかといえば三千五百円。
七、八百円。四千五百円―となる。
買い線、買い線、また買い線という今の手亡である。
なぜか知らぬが大きい相場の様相を孕んでいる。
Pのヘッジ、輸入積極化、九月、十月Pの捨て場月等
軟派の言うべきことは皆折り込んだうえでの出直りだ。
手亡相場には、なにかがある。
秘められたソロモンの魔力とでもいうべきか。
ありきたりの常識的モノサシの
目盛りでは計れない手亡になった。
●編集部註
今も昔もこの頃甲子園で高校野球をやっている。
昭和五十年のセンバツ優勝は高知高校。
準優勝は東海大相模高校で監督は原貢。
この時の三塁手は息子の辰徳であった。
【昭和五十年四月五日・休場】