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企業レポート

ピーク更新視野 エイケン 4月4日 (2017.04.03)

数年後トップ交代示唆 
50周年式典を境に次のステップ 
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エイケン工業(7265・JQ )は好調。1Q9.6%増収、26.9%営業増益と予想以上。回転が利いている。前期最高になった輸出(23億3700万円)が続伸。国内も付加価値の高い大型車用や高性能フィルターが伸びているためだ。燃焼機器、プレス部品の地道な拡販も見逃せない。2Q(2~4月)ペースが上がり後半慎重だが、7月に第8工場が完成し10月稼働の見込み。来期の助走とみられ創業50周年(今年8月)を先取り。前回述べた売上高56億1700万円(1997年10月期)、純利益3億2800万円(98年同)ともにピーク更新が視野に入った。昨年2月同社と業務提携を発表したヤマシンフィルタ(6240)が2000円台に大化けし、建機や農機に対し市場規模が桁違いの自動車・産機用フィルターに思惑がうかがえる。10年スパンで見ると、内燃機関や海外戦略で共通項も考えられ、日本製フィルターのブレークスルーにつながる。第8工場が稼働すると2割増産といわれるが、塗装ライン中心に一貫生産の集約効果も表面化。償却負担が来期頭打ちとみられ、国内生産のこだわりや高精度・高品質、新製品立ち上げの早さなど収益拡大に跳ね返るはずだ。1月27日の総会に約30人の株主が出席。1時間弱で終了した。経営成績や見通しに問題なく従業員(前期末213人)の待遇改善に質問が集中。地域貢献、50周年を踏まえ全社で新たな合意を目指すという。御前崎市は、中電の浜岡原発再稼働・廃炉が近隣の自治体同様財政基盤を左右するため、唯一上場している同社の雇用や税収など死活問題。同社は第7、第8工場に続き新たなスペースを検討中。次の50年に備える構えだ。新体制をつくるため、次世代のリーダー7人が現場をリード。権限と責任のもと実績づくり。数年後、トップ交代を示唆している。何より、輸出が連続ピーク更新中。このところ、ヨーロッパ、アジア、その他を含め全体の半分に迫る勢い。積年の濾過・プレス技術によるもので、ブランド構築に乗り出した。国内でも数量の落ち込みを大型車用と高性能フィルターでカバー。さらに、燃焼機器の黒字定着も40年以上のキャリア復活によるもの。トータル来年まで上昇運が続き好ポイントを迎えそうだ。
 2017年10月期(非連結)は、売上高54億5000万円(4.6%増)、営業利益4億3100万円(7.7%増)、経常利益4億5100万円(6.2%増)、純利益3億100万円(1.9%減)と従来通り。早ければ2Q 発表(昨年6月3日)に上方修正を期待できる。配当18円のほか50周年記念も俎上にのぼりそうだ。設備投資8億円(前期2億7700万円)の計画。輸出が後半需要期だけにいいポジションにつけた。就任8年、早馬社長(60)の持ち味が浸透。50周年式典を境に次のステップ。100年の布石になりそうだ。

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