素材の強み MARUWA 12月6日 (2011.12.05)
今、来期連結最高益も
経営資源を成長3分野に集中
MARUWA(5344)は好調。予想以上の折り返し。今、来期連結最高益更新も考えられる。震災、円高、タイ洪水、さらに欧米債務危機をしのぐもので、経営資源をHEV・EVや風力発電、高速鉄道等のインバータに使われるパワーモジュール、高機能携帯向けEMC対策部品、LEDセラミックモジュール基板3分野に集中。一段と技術開発、製販・品質保証体制を強化する。8月15日、同23日、及び9月12日発表による資金調達延べ46億円。市場大荒れの中で無事払い込み完了。パワーモジュール28億円、携帯EMC11億円、LEDに約7億円の設備投資が本格化した。1990年稼働したマレーシア工場と84年の土岐工場が大半を占め、逐一国内からマレーシアに生産移管する運び。マレーシアは09年隣接地を取得し10万㎡。土岐工場の倍に相当し1200人(土岐300人)の規模。賃金推定国内の3分の1程度で勤勉。20年以上つくり込み精度が高いという。土岐工場の窒化アルミが世界シェア7割なら、スマホ向けフェライトシートはアップルやサムスンから矢の催促。汎用品が30~40%落ち込む中で嬉しい悲鳴が聞こえた。大筋20~25%能力増になる。震災は福島県いわき市の石英ガラス子会社(旧金門)がかぶり、2ヵ月足らずで5月3日からフル操業。同特需もあり助かったという。上越のフェライトシート(旧三菱マ)も活況。見事に蘇った。今期の設備投資50億円、来期30億円が目安になりそうだ。道路や街路灯など国や自治体の実証試験に使われたパワーLEDが収穫期入り。照明機器は2Q連結累計6億8200万円(38%増)に成長し黒字転換目前。通期23億円、来期30億円。いずれ100億円の声がかかる情勢になっている。同社の場合、2013年(40周年)が次の節目。来年も上昇運で前半飛ばしそうな位相。技術移転や漏洩の少ない素材、川上にあって、セラミックの材料と製造技術で世界トップレベルにつけている。
2Q連結累計は、15%増収、22%営業増益、26%経常増益、38%増益と上振れ。計画を上回った。10月31日修正発表によるもので、後半エコ・パワーモジュール・LED照明機器関連が続伸。通期でも上方修正している。2012年3月期(連結)は、売上高250億円(25%増)、営業利益40億円(32%増)、経常利益41億円(33%増)、純益24億円(19%増)に見直した。配当は30円(中間15円)の予定。5日3425円で引けたが、3Q発表(前期1月27日)が新たな手がかり。最高純益が01年3月期の26億3100万円だけに、今、来期償却負担増をこなすかどうか見ものだ。