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企業レポート

10年スパンの転機 三谷産業 3月15日 (2017.03.14)

3Q健闘し追い込み 
新年度、次の100年に備える 
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 三谷産業(8285)は確り。3Q健闘し年度末の追い込み急ピッチ。新年度の助走に入った。3月6日、取引先の住友不動産(8830)に対する第3者割当100万株(372円)の払い込み完了。2014年10月に次ぐもので、20年東京五輪、27年リニア開業を目玉に首都圏再開発の受注増が見込まれる。3Q連結累計売上高65.6%、営業利益42.9%の進捗率。前期を上回っている上、持分法収益拡大から経常・純利益の伸びも見どころ。今、来期約20年振り最高益更新目前だ。これまで延べ40億円投入したジェネリック向け原薬供給と同30億円にのぼるベトナム関連事業によるもの。前者の売上高70億円、後者も100億円レベルに達し、今後投資回収期を迎える。首都圏、北陸、ベトナムを軸足に化学品、空調設備、樹脂・エレクトロニクスなど6事業を展開。目下、樹脂エレクトロニクス(3Q連結累計64.4%営業増益)、化学品(同11.6%営業増益)、空調設備工事関連(同23.5%営業増益)がリード。住宅設備機器の黒字転換と情報システム、エネルギー関連事業のフォローが課題。2028年(創業100年)を節目に10年スパンで転機がやってくる。来年から10年、次の100年の助走。国内と海外挙げて6事業見直しと新たな仕込みに入る。その点、昨年9月工場増築を決定し、今年7月完工予定のベトナムADMS社が目玉。電子部品と樹脂成形品を組み合わせた複合ユニット製品の本格生産と樹脂成形品の増強に踏み切るもの。半面、黒字転換したニッコー(5343)の復活も見逃せない。IoTの時代を迎え3拠点6事業もステップアップ。何より、ベトナムが1986年のドイモイ(刷新)から30年有余で活性化した。賃金が中国のわずか3分の1。若くて安い労働力が豊富なためで2016年のGDP6.2%増。2000年以降、アセアンで毎年5%以上伸びているのは同国だけ。米国のトランプ政策で中国が不利になり、米国のTPP離脱を加味しても同国とインドネシアが残るとみられる。
 2017年3月期(連結)は、売上高710億円(4.8%増)、営業利益23億円(17.8%増)、経常利益25億円(15.2%増)、純利益15億9000万円(17.5%増)と従来通り。配当6円(期末3円)を据え置く予定。設備投資9億5000万円(前期10億9200万円)の計画。昨年10月14日に売上高と営業利益を下方修正したが、経常と純利益強含み。来期増収増益を目指すという。今年と来年調整運で事業見直しと新たな仕込みに打ってつけ。後継者やお金に困らない社運だけに踏ん張りどころだ。3月15日以降、米利上げを受けて原油先物安、オランダ総選挙の影響など波乱含み。国内も手詰まりで半年、1年後も読めないのが現状だ。地域やベトナムに貢献し、育英会や研究開発財団にも熱心な同社。事業を通じて人材を育て、新年度、次の100年に備えている。

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