収益強含みに修正 マキタ 2月22日 (2017.02.21)
プラットホーム拡大
エンジンから充電式に次々変わる
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マキタ(6586)は堅調。1月31日、通期の連結純利益428億円(2.8%増)に上方修正。従来1ドル103円を109円に見直した。トランプ氏に対し市場の政策期待を反映したもので、3~5月のFOMCにかけて再び利上げ・円安の連想が働くとみられ収益強含み。
3Q累計連結在庫1681億円(6.0%減)を見ると回転が利いている。現地通貨ベースで数量、単価とも確り。リチウムイオン電池搭載のバッテリー工具がリード。プラットホーム拡大によるものだ。同連結地域別売上高を見ても、国内536億9500万円(8.3%増)に対し、海外2526億2000万円(8.0%減)と国内の回復ありあり。1月13日、国内2位の日立工機(6581)が米投資フォンドKKRに売却と伝えられ、3月にも上場廃止の見込み。海外でも現地通貨ベースでシェアが上昇している。1915年、モーターの修理販売をルーツに102年。50年代電動工具メーカーに転換し、70年代の海外進出が決め手。2005年、リチウムイオン電池による充電式工具を投入し次の100年を提案した。電動工具を中心に園芸・エア工具、アクセサリー・アフターサービス挙げて脱皮しきり。13年5月、約100億円シャープ(6753)の第3者割当を引き受け、センサーや電子制御技術が加わりプラットホームが広がった。充電式小型集じん機が数十万台のヒットを飛ばし、15年9月発売の「ロボプロ」も受けている。引き受け後、3分の1になった株価が現在相当な評価益をもたらした。バッテリー工具の普及が合理的なもので、OPE(Outdoor Power Equipment=園芸・農業・林業用など屋外で使う各種工具)開拓の突破口。従来のエンジンから充電式に次々変わり始めた。環境規制が厳しい上、小型で高出力、低騒音・低振動、メンテナンスも手軽。高価格の解消が課題といわれ、AIやロボット、IoTなど出番をうかがっている。設備投資150億円の予定。国内マザー工場、中国の準マザー工場中心に設備更新。世界8ヵ国の生産拠点で同一品質を目指すものだ。英国のEU離脱がネガティブに伝えられるが、同社は1989年テルフォードに工場を立ち上げ英国にとっても不可欠。ポンド安を除けば、従業員約250人健闘しており問題ないという。先進国よりロシアやインドネシアなど新興国が落ち込み、このうちベトナムの好調が明るい材料。電源のない現場で同社のプラットホームにバッテリー工具やコーヒーメーカー、ラジオなどラインナップ。1月20日発表したピンタッカ、コードレス専用集じん機もそうで応用が広がりそうだ。電動工具国内シェア1位。世界でも2位につけている。おこるな・いばるな・あせるな・くさるな・まけるなが座右銘。ご時世にマッチしている。
2017年3月期(連結)は、売上高4050億円(4.4%減)、営業利益605億円(6.5%減)、税引前純利益620億円(0.8%増)、純利益428億円(2.8%増)に修正した。配当は中間18円。連結配当性向30%を基準に期末(前期83円)決まる。今年も上昇運だが、トランプ政権や中国、北朝鮮情勢など波乱含み。新年度ヘアピンカーブに差しかかる。むしろ、堀社長(68)が昨年から調整運でバランスの取れた年度末。地についた采配だ。人口18万の愛知県安城市に本社があり、国、県、市に多額の納税で貢献。取引先や従業員などステイクホルダーと共存している。世界各地の工場、販売拠点もそうだ。