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企業レポート

航空機向け拡大 OSG 2月16日 (2017.02.15)

期待にこたえ巻き返
超硬製品とコーティングに傾注
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OSG(6136)は巻き返し。2月18日、石川社長(62)が株主総会の承認を受けCEOに就任。2期振り連結売上高最高を更新する見通し。
2018年(創業80周年)につなぐもので、グローバルネットワークと総合切削工具メーカーとしての品揃えを活かす。第2の創業を果たした前CEO(大沢輝秀氏=享年78)の構想を引き継ぐ。中期計画に基く連結売上高1500億円、営業利益300億円(20年11月期)を実現するためだ。航空機を中心に軽くて強い金属を削る超硬工具の需要が一段と拡大。前回、佐賀県武雄市の子会社を通じて30億円投入した新工場。愛知県豊川市の大池工場も10億円投入し2割増強と述べた。国内外で航空機部品、中長期MRJをはじめ完成機受注も増加する見通し。一方、摩耗した切削工具のコーティング、メンテナンスサービスにも意欲的。現在、米国や中国、ドイツなど世界12ヵ国(16年11月期)でコーティングセンターが稼働中。国内では子会社の新城工場(愛知県)と群馬県の新工場がリードしている。これは、世界規模の取り組み。海外のコーティングセンターが国内レベルになると前CEOの目指した「地球会社」も本物だ。前期、連結小反落。2期連続ピーク更新後一服。頭打ちに見える。しかし、円高により売上高74億円、営業利益で24億円「得べりかし収益」といわれ最高水準。ビジネスチャンスに変わりない。一例が日米首脳会談で渦中になったメキシコ。自動車向けに超硬工具の新工場も開設し前期19%増。二ケタの高い伸びが続いている。国境税こそ気になるものの、部品生産がどこであれ工具が「不可欠」との認識で動じない。レアル暴落、大統領弾劾のブラジルさえ黒字継続中。15年7月デグランジェス(仏)、16年3月アマムコ・ツール(米)に次ぎ同11月ソムタ・ツール(南ア)がグループ入り。逆に、17年1月岡本工作機械(6125)の筆頭株主(447万7000株)を降りた。The Next Stage 17 (2017~20年度)によると、タップ、エンドミル、ドリル、転造工具など穴加工用切削工具主力製品の世界シェアトップが長期ビジョン。当面、大手ユーザーとカタログ品を基本戦略に販路開拓。M&A、世界各地のテクニカルセンター(6)、新技術など新たな手掛かり。第4次産業革命といわれるAI、ロボット、IoT化に向けてもう一皮むけそうだ。現在1割超の航空機向けが2、3割になると体質も一変する。
2017年11月期(連結)は、売上高1165億円(10.4%増)、営業利益195億円(6.9%増)、経常利益190億円(6.7%増)、純利益115億円(13.5%増)の見通し。配当44円(中間21円)の予定。設備投資80億円(前期133億円)の計画。このところ超硬製品とコーティングに傾注している。18日の総会を境にオーナー色が後退する一方、国や郷土に大口納税で貢献し従業員の雇用、収入増、バスケのスポンサーなど評価する声が多い。昨年11月1日、前CEOお別れの会に約2000人が参列し別れを惜しんだ。創業者が技術者で故人は世界中飛び回るセールスマン。横尾忠則の描いた肖像画が屈託なくポジティブで印象的だった。グループ挙げて故人の期待にこたえるはずだ。

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