「寒釣のいでたちしかと見えにけり」 舟月 (2017.01.23)
昭和の風林史(昭和五十年一月二十日掲載分)
大相場の序曲 颯爽堂々の行進
相場の押し目は竹の節(ふし)である。
伸びては押し、押しては伸びる。
小豆、手亡強気一貫。
「寒釣のいでたちしかと見えにけり 舟月」
小豆の一万七千五百円あたりは、
ひとまず利食い場だと考えている人や、
この小豆相場は一万七千五百円以上のものでない―と、
先入観にとらわれている人が案外多いのはどうしてだろうか。
手亡。この手亡は強烈型である。小豆の取り組みを上回った。
しかし、輸入雑豆の圧迫を恐れて、
一万四千五百円以上は、へっぴり腰である。
目先を言えば、
小豆手亡とも利食い押しが軽く入るところかもしれない。
日柄の目を読むなら3・5・7・12本。
新値12~13本あたりが穀物相場の場合屈折点になるのは常識。
手亡。一月9日先三本S高で急伸して
、一、二、三、四本と買われて軽く押して金曜五本目の夜放れ高。
土、日の二連休明け、もう一段高に、
思い切って伸び切れば利食い押しもあるだろう。
線型では一万五千五百円マークが暗示された。
小豆。今年の本命は結局のところ小豆に落ち着くだろう。
小豆の動きはダイナミックである。
今年に入って品物の売れ行きは好転している。
そして案外在庫が少ないのである。
人々は七千五百円以上になると大挙して
産地が売ってくるだろうと用心しているけれど、
農家にしても今年の小豆は大型相場である
という予想をしているから売り急ぐことはない。
本年小豆相場の二万円抜け予想は、
消費地の投機家だけが考えていると思ったら大間違いだ。
生産者がもっと真剣に考えている。
目先的には小豆の安値十二月18日から新値九本目で二連休に入って、
今週月火水あたりで利食い押しの入るあたり。
これを軽くいなしておいて
一万七千七百五十円の節(ふし)を取り切れば
昨年八月5日の急所一万八千二百二十円を千円棒でも
埋めに行く力がつく。弾みだ。
一月以降の産地供給力は小豆百六十万俵。枚数にして四万枚。
一枚の証拠金六万五千円で二十二億円のもの。
全商品業界の預り証拠金約六百億円。
毛糸市場から妙味ある穀物に、
ちょっと証拠金が動けば、なんという事もない。
手亡は三十万俵割れという極品薄の状態である。
●編集部註
これは「狼が来たぞ~」の原理であるといえよう。
昭和五十年一月から四月まで毎月、
一万七五〇〇円を超えると売られた。
五月も超えた。しかし、そのまま上げていった。
【昭和五十年一月十七日小豆六月限
大阪一万七二九〇円・三二〇円高/
東京一万七四四〇円・三三〇円高】