証券ビュー

森羅万象

叩き込み買え 強烈型の相場だ (2017.01.20)

昭和の風林史(昭和五十年一月十七日掲載分) 
まだまだ警戒厳重である。押さば買う一手。
手亡の初押し無条件界。先限五千五百円目標。
「鶯や谷間谷間の水の音 碧梧桐」
一月が六日発会。二、三月が三日新ポ。六月が二日新ポ。
十一月がなんと聞いたこともない四日新ポである。
今年の相場は三日新ポが続いたり、
開びゃく以来の四日新ポがあったりして、
とにかく大荒れしそうだ。
米相場の昔から〝辰巳天井午べたり〟と言われる。
辰の年、巳の年にかけて相場は大高回りに入るのである。
低回り三年、中回り三年、高回り三年と
相場のサイクル九年ひとめぐりを重視した。
その式でいけば、去年は高原相場。
今年あたりから再び活火山になりそうだ。
人々はいま、どんな強気の人でも
小豆の二万三千円か五千円あたりまでの値段しか考えていない。
しかし筆者は、いずれ小豆一俵三万六千円。
今の値段の倍ぐらいの相場が出るだろうと思う。
穀物が再開された当時の小豆相場は五千円から六千円どころで、
八千円を抜いた仕手戦で市場は、たまげてしまった。
そのあと普通で七千円相場、
凶作や仕手戦で一万円を抜くと市場は閉鎖されたものだ。
その後一万二、三千円の時代。
そして一万五、六千円時代となった開所当時の三倍、
八千円時代の三倍である。
恐らく今年も生産者米価は大幅な値上がりをするだろう。
世相の趨勢から見て、物価は上昇一路である。
春闘が終われば景気に刺激され、再びインフレの火は燃えよう。
〝不況よりもインフレ〟という政策をとらざるを得ない。
世界各国とも高金利時代から抜け出して
低金利→景気浮揚という政策に転換している。
日本も金融引締めの限界に来ている。
ひとたび金融がゆるめば流動性資産は
株式市場と商品市場になだれ込むだろう。
商品市場では、小豆、手亡の穀物が花形になることは、
すでに充分予測出来るのだ。
とりあえず小豆の二万三千円→五千円という価格革命である。
出来高の面では手亡が小豆を上回り、
それだけ激しい値動きで人気を集めているが、
手亡よし、小豆よし。
仰げば尊し我が師の恩。
動けば尊し相場の人気。押さば買う一手。
●編集部註
 一万七五〇〇円。これが当時の小豆相場の壁だ。
 なかなかの難所で数カ月間超え切れなかった。
 平成十五年から十六年にかけての
八〇〇〇円の壁と同じと思うと良い。
【昭和五十年一月十六日小豆六月限
大阪一万六九七〇円・一一〇円安/
東京一万七一一〇円・五〇円安】