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企業レポート

巻き返す構え 日東工業 1月6日 (2017.01.05)

修正織り込み自律反発 
ダイナミックなステップに直面
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日東工業(6651)は自律反発。4Q 追い込み来期の助走。予想外のリバウンドも考えられる。昨年10月31日下方修正。想定内に収まった太陽光発電関連の反動減に対し、低調な民間設備投資が響いたもので、通期連結織り込み済み。次世代の仕込みに余念がない。グループ一体経営をベースに技術力、製品提案力強化。東南アジアで配電盤事業確立。新たな技術・企業との融合が骨子。すでに着手した。一例が昨年12月から首都圏の住宅約100棟を対象に地震の揺れや雷の電流をとらえるセンサを取りつけた感震ブレーカー。東日本大震災に伴う火災の6割が電気系統によるもので、国の中央防災会議が普及を推進。同社が出荷する年間約20万台の分電盤のうち、感震ブレーカーつきが現在1%に満たないためだ。IoT技術を使った実証実験により、センサが感知したデータをクラウドで蓄積・分析してユーザーに被害状況をメールで通知。ビッグデータとして防災にも活用できる高度なもの。システムが昨年10月「CEATEC JAPAN2016」に出展された。一方、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)対応分電盤も注目の的。「エネサーチ」(電力計測装置)内蔵の分電盤にインフォメティス(本社東京)が提供するIoTの情報アプリ「うちワケ」の利用権2年をセット。AIを活用して家電ごと電気料金がわかる「見える化」を実現した。このほか、従来のサイズを30%小型化した最小動力分電盤。ぷらっとホーム(6836)とコラボで屋外IoT・監視システムボックスを共同発表。パンドウイットと共同開発した情報通信機器を収納するシステムラックが米Cisco社のCisco Compatible認証を取得するなど続々。コア事業の見直しと改良・改善がビジネスチャンスをもたらした。2期連続最高益の反動から、現行中期計画の連結売上高1200億円(2017年3月期)が後退。来期発表される新たな中期計画により巻き返す構えだ。
2017年3月期(連結)は、売上高1060億円(2.3%減)、営業利益62億円(45.0%減)、経常利益59億円(46.1%減)、純利益42億円(43.3%減)に見直した。配当50円(期末25円)の予定。設備投資69億6000万円(前期29億4400万円)の計画で来期一服という。人材育成が課題。グループが国内外ダイナミックなステップに直面し追いつかないためだ。社運によると、2018年(設立70年)から10年スパンで延べ20年相当なリターンが見込まれる。国内で東京五輪、リニア開業がカウントダウン。日本とタイ、シンガポールを軸足に東南アジアの配電盤事業拡大も待ったなし。同時進行で切り盛りが大変だ。佐々木社長(60)がもう1人いないと回らない。

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