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企業レポート

後半追い込み NDS 12月14日 (2016.12.13)

中期経営目標に意欲 
NTT民営化30年を境に転機
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NDS(1956)は伸び悩み。連結減収減益の折り返し。後半追い込みが注目される。総合エンジニアリング事業の受注(2Q連結累計3.1%増)によるもので、NTT設備(8.7%増)とモバイル設備(4.5%増)が手掛かり。期首繰越受注高54億円(前期87億円)にとどまり発奮。中でもアクセス・宅内保守、所内ジャンパ業務など設備保守業務の伸びが目立ち、採算改善が課題という。前回述べたように踊り場。通信がNTT(9432)民営化30年を境に電話とインターネット、携帯3グループのリードからAIやフィンテック、IoTなどビッグデータやディープラーニングの登場により転機。今後端末と通信料の兼ね合いもあり、中長期値下げと品質確保を迫られる悩ましい場面。おいそれと動けない。日本時間7日未明、ソフトバンク(9984)の社長が米次期大統領と会談し、4年で5兆7000億円投資し5万人の雇用を提案。暗に傘下携帯4位のスプリントと3位Tモバイルの合併をほのめかした。手詰まりによるM&Aと受け取られ「ダウ2万ドル」を後押し。通信再編の波紋が広がっている。米アップルのiPhone開発でスマホがスタートして10年。国内の販売台数4%減の730万台(2017年3月期)といわれ、人口減を加味して20年ごろマイナス成長との試算もある。首相の鶴の一声で携帯の官製値下げが懸案になった。しかし、連結売上高800億円(19年3月期)が同社の中期経営目標。総合エンジニアリングのNTT設備270億円、モバイル設備60億円、総合設備240億円しめて570億円。これにICTソリューション212億円、住宅不動産18億円トータルによるもの。今期から3年で6.7%成長を見込み営業利益率4%が目安。仕込みに入った。通信料金値下げや業界再編にもまれながら、NTTグループによる光コラボのモバイル拡大、MVNO増加、IoTの進展、ビッグデータ活用、クラウドサービスの伸びも見込まれ、ICT(情報通信技術)による多種多様な投資が予想されるためだ。後半追い込み来期ポジティブな構え。米国の大幅減税、規制緩和、インフラ投資など呼び水に日本でも東京五輪、リニア開業、大阪万博。名古屋もアジア大会の招致に乗り出した。一朝一夕にいかないが、戦後70年を踏まえ国内のインフラ更新も待ったなしだ。
2017年3月期(連結)は、売上高750億円(0.8%増)、営業利益23億円(25.0%減)、経常利益26億円(21.8%減)、純利益15億円(22.5%減)に修正なし。10月1日10株を1株に併合し期末配当50円(中間5円)の予定。設備投資26億円(前期18億6100万円)の計画。“チャレンジ2018”を打ち出し引き締まった。名古屋藤が丘の賃貸マンション(53戸)やNTT光回線併用の自社サービス「NDSひかり」の法人向け拡販に意欲。NTTと同社、伊藤社長(64)が同運で並び興味深い。見かけと違い大器晩成型。試練を前向きに受け止め努力せよという。創業者が喜ぶことをするとうまくいくといわれる。

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