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企業レポート

新体制軌道入り マルサンアイ 11月24日 (2016.11.22)

予想以上の滑り出し
鳥取工場稼働が本格的なスタート
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マルサンアイ(2551)は1Q 続伸。予想以上の滑り出し。新体制が軌道に乗り始めた。
4月の熊本地震で豆乳の協力工場が被災。生産再開に約1ヵ月かかったが、この間本社・関東工場増産に伴い落ち込みを吸収。110~120%操業を難なくこなしたのが原動力になった。生産性向上によるもので、7月に発表したグループ中期経営計画「クリエイト2020」にも明らか。企業基盤強化を謳い、2023年連結売上高300億円を表明。夢を実現する構えだ。鳥取工場稼働が本格的なスタートとみられ、当初来年10月を7月に繰り上げカウントダウン。10月の鳥取地震に新工場の被災なし。前回述べたこの上ない条件のもと、千代川(せんだいがわ)の伏流水を使ったおいしい水が鳥取ブランドの豆乳に生まれ変わる見通し。渡辺社長(60)とバッテリーを組む堺取締役(58)が鳥取工場長の兼子氏と同世代で期待をもてる。順調なら2022年(設立70周年)から10年刻み。32年、42年にかけて相当なリターンが見込まれる。30有余年のビッグデータを投入した賢い設計によるもの。今後、国や地元に相当な税金を納め雇用促進。手薄だった中・四国のほか全国レベルで供給体制が整う運びだ。新工場稼働を突破口に既存事業強化、海外開拓、人材育成。PL、BS、CFの改善など懸案解決に意欲。償却負担がピークを越す2018年度から増益基調に転換する見通し。2013年の合理化投資でみそ(前期の連結構成比18.9%)の黒字が定着し、豆乳(同59.9%)伸び盛り。直近5年で40%成長。料理用、海外向け、「豆乳グルト」の販売エリア拡大など同社の生産能力年11万kl。新工場稼働で25%増加する見込み。直近519億円市場といわれシェア2位(19.8%)。トップブランドに対し量より質の攻勢が光る。例えば、全面リニューアルした「ひとつ上の豆乳」。国産大豆100%で固形分11%まで高めたのにかかわらず105円据え置き。事実上、ふたつ上でプレミアムを顧客にプレゼントした。14%出荷が増えた模様でファンをつくりたいという。2年連続モンドセレクション最高金賞の「みそ職人 旨み贅沢」や同金賞「豆乳グルト」もアピール。米大統領選後長期金利が上昇し、インフレ期待に包まれているものの、デフレ基調に変わりない。提案できるのが強みだ。12月15日の株主総会。質問が出るまで待つという。
2017年9月期(連結)は、売上高243億9600万円(0.7%増)、営業利益4億9600万円(33.7%減)、経常利益4億7800万円(10.0%減)、純利益2億6700万円(15.0%減)の見通し。配当は期末30円(3月21日5株を1株に併合し単元100株)を据え置く予定。設備投資51億4900万円(前期22億5500万円)の計画。1月29日、マイナス金利が発表され天がゴーサインを出した。1Q 上振れ面白い。来年も上昇運。社長が来年、再来年調整運で鳥取工場の仕込み立ち上げに傾注する場面。アーモンド飲料の後押しにも余念がない。溌剌とした雰囲気に包まれている。

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