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企業レポート

3Q反転強含み ダイセキ 11月9日 (2016.11.08)

逆ザヤ解消巻き返し 
ソリューションがビジネスチャンス 
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 ダイセキ(9793)は2Q 底入れ。3Q 反転。回復軌道に乗り始めた。原油や鉱石など資源価格のリバウンドによるもので、持ち直した国内の鉱工業生産に連動。
ソリューション(1712)、MCR、システム機工など連結子会社も光明を見出した。2月26ドルが底になったNY原油先物の半年後。8月が目安といわれ、9月以降尻上がり。3Qから前年割れを抜け出した模様。単体のほか、大型案件一巡の反動で落ち込んでいたソリューションとシステム機工に受注増が見込まれ、JIS認証で体質が一変したMCRも円高一服と市況好転により償却前黒字転換。1年前資源価格下落に伴い逆回転に見舞われたものの意外に早く戻した。5月26日の総会で株主から市況変動に適切な対応が経営者の責任との質問があり、原油先物が重油の現場に跳ね返るまで3~4ヵ月。再生重油として市場に出回るのに延べ6ヵ月。コストが下がらず売価の落ち込みが響いたという。しかし、逆ザヤ解消。この先OPEC、非OPEC、米国シェールオイルも市況回復と増産の綱引きとみられピッチ緩慢。通期計画を上回るとしても増収増益にあと一歩だ。10月31日発表された9月の鉱工業生産によると、出荷1.1%増に対し在庫0.4%減と好転。7~9月期1.1%増(4~6月期0.2%増)となり前年比9期振り増産。10~12月期2.7%増との試算もある。このため、米大統領選や米利上げ、プーチン来日など混乱を加味しても3Q以降増収増益。来期につながりそうだ。前回述べたように、今期の設備投資53億1000万円(前期20億円)。うち40億5000万円がソリューション関連。土壌洗浄施設を目玉に用地取得を含むもので来期も20億円レベル。東京五輪、首都高速、品川再開発、リニア関連などビジネスチャンスが続き繁忙に追われそうだ。単体の首都圏南新工場用地手当てが課題。依然マッチした物件に恵まれず慎重に構えている。AIやロボット、IoTの時代がきても製造業次第。ビッグデータや自動運転に任せられないという。
 2017年2月期(連結)は、売上高474億9000万円(6.5%減)、営業利益76億9000万円(2.0%減)、経常利益77億2000万円(2.9%減) 、純利益41億7000万円(7.0%増)に修正なし。配当28円(期末14円)を据え置く予定。前半計画を下回り後半巻き返し。強含みに変わってきた。10月13日自己株(60万株)を取得している。昨年後半から調整運入り1年。2年尾を引く見込み。この間、グループ挙げて次世代の仕込み。2025年(創業80年)から10年相当なリターンが見込まれる。前半15.1%減収でも営業利益率16.07%(前期15.48%)と締まった。蓄財の才能が見事で中年期以降、後継者にも恵まれる。

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