3、4Q好転待ち カネソウ 10月13日 (2016.10.12)
豊洲移転巡り立ち往生
防災需要増で製作金物高い伸び
カネソウ(5979)は正念場。1、2Q期待外れ。3、4Q好転待ちだ。首都圏の売り上げが推定3分の1以上占め、都知事が待ったをかけた築地市場の豊洲移転問題や五輪関連事業見直しも懸念材料。当初11月7日移転の見込みだけに、7月初当選した新知事と10月の設計ミス露見が誤算で2、3Q立ち往生。工事やり直し、移転延期でも解決できず落としどころがない。これまで小康を保っていたものの後半追い込み。来年もきつい。しかし、溶解・試験設備等4億5000万円の投資予定通り。耐久性能向上に意欲。免震構造や複合デザインの建物、人工地盤など使用目的に応じたEXジョイント、スリットみぞ蓋シリーズの普及に全力を挙げる。1997年に免震エキスパンションジョイントを投入し間もなく20年。免震構造建物をはじめクリアランス(すきま)をカバーし変位に追随する機能が受けて評価定着 。これから本格的な普及が予想される。2020年東京五輪、21年に46年振り三重国体、27年リニア開業、名古屋駅スーパーターミナル構想などロングランのビジネスチャンス。政府が2025年の万博を大阪に誘致する調整に入ったことも新たな手掛かり。大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)を舞台に5~10月開催。人類の健康と長寿挑戦がテーマという。埼玉県の川口鋳物が1964年の東京五輪で旧聖火台を受注し、2020年再び採用を呼びかけているように、桑名にも復活のチャンスがやってくる。2022年(創業100年)を前に次の100年が課題。AIやロボット、IoTなど次世代の触れ込みが伝えられる中、どんな手を打つか思案中。売上高143億円(1997年3月期)をピークに、67億円(2010年3月期)まで落ち込み反転後を模索している。国土交通省が公表した2016年度建設投資見通しによると、民間住宅投資14兆円7300億円(2.0%増)に対し政府投資21兆7300億円(0.8%増)と比較的確り。熊本地震をはじめリオ五輪後台風や地震しきり。挙げ句に豊洲・五輪見直しとあって後半の追い込み待ったなし。落としどころで大荒れも考えられる。11月9日2Q発表予定だが、目先にこだわらず中長期前向きで心地よい。昨年から上昇運に入り2017~18年好ポイント。仕込み次第で相当なリバウンドも考えられる。
2017年3月期(非連結)は、売上高78億円(2.5%増)、営業利益5億6500万円(38.1%増)、経常利益5億円(44.3%増)、純利益3億4000万円(165.9%増)の見通し。配当15円(中間7.5円)を据え置く方針。2Q 計画を下回った模様で3、4Qの追い込みが注目される。免震・外構製品のアタリがいいだけに踏ん張りどころ。創業94年の底力が見ものだ。ひところ鋳鉄器材とスチール機材で5割を占めていたが、今期から防災関連需要の高い伸びを背景に製作金物だけで5割を突破する勢い。次の100年を結ぶ架け橋になりそうだ。