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企業レポート

次世代をリード セリア 10月4日 (2016.10.03)

変化に適応し伸び盛り 

顧客が喜んだ分収益に跳ね返る

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 セリア(2782・JQ) は伸び盛り。1Q 11.2%増収(30.6%営業増益)で飛び出し2Q中盤から荒れ模様。正体不明のデフレと渾然一体になった。相次ぐ出店要請にこたえ、物流オペレーションの改善に取り組んでいるためだ。POSデータ分析による仮説と検証の積み重ねがピーク更新の決め手。顧客が喜んだ分収益に跳ね返っている上、前期の納税額しめて40億円。国や地元の行政にも貢献している。岐阜の上場企業28のうち、県庁のある岐阜市(人口40万)8に対し大垣市(同16万)も8。名古屋より関ヶ原に近い文化圏で壬申の乱(672年)や関ヶ原の戦い(1600年)を経て転入・転出ごくまれ。人口が一定に保たれ乾坤一擲。排他的な一方、自立心旺盛とみられる。OKBこと大垣共立銀(8361)が2015年4月から県の指定金融機関になったのも画期的。10月3日現在、同社の時価総額3063億円。セイノ―HD(9076)2215億円やイビデン(4062)1901億円を引き離し次世代をリードしている。「ダイソウ」(本社広島)が100均トップで2位につけ、3位キャンドゥ(同東京)、4位ワッツ(同大阪)にもない魅力が自噴する生来のエネルギー。大垣が揖斐川水系で地下水に溢れ、水都と呼ばれるのに由来する。米国で大手ダラーストア4社が伸びているように、今後低所得層の支持が幅広い顧客層につながるか見どころ。2013年富士(3776m)、15年キリマンジャロ(5895m)、16年7月エベレスト(8844m)を越えた評価が手掛かり。徹底して100均にこだわり、逆立ちしても出来ない商品を次々市場に送り込むという。米国でダラーストアがスーパーやドラッグ、コンビニなど顧客を取り込んでいるのと同じ理屈。2007年(設立20年)「カラーザデイズ」1号店オープンからトップ追撃が始まった。今期の出店150(前期純増124)の計画でざっと半数見込まれ、毎期出店200の構想実現に意欲。順調なら17年(同30年)から10年相当なリターンが予想される。広島県福山市に西日本の物流拠点を開設し経済合理性を痛感。神奈川県に東日本の新たな拠点をつくり、愛知県小牧市から手を引くという。インショップ推定7割。出店150(1Q末1346)が巡航速度。西友(ウォルマート)のオファーが目立ち今期35(3年延べ100)の計画。顧客のレベルが上がり課題山積の模様だ。一にも二にもAIやロボット、IoTなど次世代を前提にPOSデータの仮説検証によるもの。前期のROEランキング21.6(直前期22.2)。東海3県上場50社のトップに立った。月次売上高によると、9月まで全社累計111.2(既存店103.5%)と堅調。変化に適応している。
2017年3月期(非連結)は、売上高1420億円(8.4%増)、営業利益130億円(8.2%増)、経常利益同(7.6%増)、純利益88億円(10.7%増)の見通し。配当は期末35円(5円増)の予定。設備投資60億円(前期45億円)の計画。昨年から上昇運で来年以降加速。河合社長(49)が調整運でクール。むしろ、2年会社を冷やすと締まる。蓄財運が見事だけに来年明以降後継者にも恵まれるという。同社が2位につけていると、トップもうかうかしていられない。

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