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企業レポート

薄日もれる1Q 旭化学 10月25日 (2016.10.24)

リバウンドのきざし
タイ子会社仕込みにかかり切り
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旭化学工業(7928・JQ)は底入れ。1Q連結新規受注に手掛かり。円高も後退し薄日がもれた。前期2度下方修正に追い込まれた反動によるもので、10月13日タイ国王死去に伴いバーツ下落一服。あく抜けの公算が大きい。
前期、親会社とタイ子会社が営業赤字で中国子会社も人民元安から実質収益が落ち込み3月減配。反転を持ち越しただけにリバウンドのきざし。マキタ(6586)をはじめイノアック、豊田合成(7282)など取引先と米大統領選、12月米利上げを見越した動きだ。同社の場合、2012年(創業50年)に立ち上げたタイ子会社が次世代の最前線。01年中国進出に続きアセアンの市場拡大に備えるもので、土地2万6000㎡(中国2万7257㎡)を確保。次の半世紀をリードする見通し。人材が生命線といわれ、現在約50人のメンバーで実績をつくるのが先決。中国のように、労使協調がお墨つきになると生産性も上がり、いつの間にか430人(日本人3人)の規模。稼ぎ頭になった。前期の売上高1億5300万円(直前期1億5400万円)にとどまり、損益分岐点が月3000万円という。前回述べたように、年5億円なら御の字。来年2月以降、新規顧客に納入の模様だ。中国こそ電動工具で手一杯だが、タイは自動車もこなし2本立て。20年来、連結売上高100億円の旗手になった。14日から服喪期間1年が反転のチャンス。新国王即位を巡りバーツの戻りが見込まれる。リーマンショック直後261円の安値。当時黒字を確保し直接影響なかったというが、直近2期赤字にかかわらず300円台前半の水準。無借金で連結純資産1244円(前期末)のほか、タイの日系企業が8割以上黒字という情報も支援材料になっている。マキタが100周年を境に電動工具の倍以上といわれる園芸機器市場に挑戦。トヨタグループもアフリカ(北部)をフロンティアに世界生産1000万台体制を強化。今後、トヨタの100周年(2037年)がターゲットになりそうだ。取引先に認められた経済合理性が最大のよりどころ。今期反転に持ち込むと流れが変わる。
2017年8月期(連結)は、売上高60億円(4.5%減)、営業利益2000万円、経常利益6000万円、純利益3000万円の見通し。配当3円を据え置く予定。設備投資1億7000万円(前期1億2900万円)の計画。前期15.5円(直前期19.9円)の人民元相場を14円に落とし慎重に構えた。現在15円台前半でお釣りがくる。2022年(創業60年)までタイ子会社の仕込みにかかり切り。中国子会社が軌道に乗りコンスタントに稼ぐため、グループ全体尻上がり。世界の市場が金融危機で混乱しても売上高100億円が視野に入るはずだ。それには今のメンバーで新記録をつくること。収益が目に見えて好転すれば若い人も寄ってくる。2014年から上昇運入り。杉浦社長(49)が今年、来年盛運で心強い。

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