反転の矛先鈍る 田中精密 6月1日 (2011.06.01)
1Q発表機に巻き返し
ホンダ通常操業8月に繰り上げ
田中精密工業(7218・JQ)は復調中断。反転の矛先が鈍った。3・11震災によるもので、国内・米国・タイそろってホンダに連動。1Q5割操業、年内正常化の見通しから、5月27日ホンダの声明で国内・中国・アジアなど通常操業を8月に繰り上げ。総会(6月24日)までに懸案の業績予想を発表できる見込み。5月31日670円(1株当たり連結純資産1514円)だが、操業上振れに見合う水準訂正が考えられる。ホンダは、前期の連結純益5340億円(トヨタ4081億円)で上場企業トップ。ところが、被災により4月の生産台数国内81%減、海外43%減と自動車メーカー8社のうち最も打撃が大きい。リーマンショックを受けていち早く合理化に取り組み、ピーク(08年3月期)の9割まで純益を戻した矢先、グループまるごと震災につかまった。同社の場合、ホンダとの取引90%。直前期減損13億円はじめ特損15億円計上しあく抜け。前期も4月27日の修正で新規受注を目指し研究開発費増、設備の修繕・更新、圧縮してきた賞与を徐々に戻すなど反転に備えたばかり。復配も当初8円を10円にした。問題は、操業再開後。それも待機受注消化後が課題。首尾よくこなし、中国現地生産にめどがつけば様変わり、3・11以降の混乱を踏まえ、1~2Q何をどうするかで今後が決まりそうだ。08年(創業60年)が最大の節目。18年(同70年)にかけて次世代の仕込み。社運を調べると、今年絶好調で夏場から好転が見込まれる。
11年3月期(連結)は、13%増収、営業利益21億6900万円、経常利益22億500万円、純益4億2300万円(特損3億8000万円)。4Q震災で採算が落ち込んだのものの、2ケタ増収が手がかり。タイ48%営業増益がめざましい。12年3月期(連結)は、1Q発表(昨年7月29日)を機に巻き返し。2Q以降予想以上とみられる。4輪より海外で2輸車市場の拡大が次のステップにつながりそうだ。