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企業レポート

来年は上昇運 田中精密 11月29日 (2010.11.29)

新興国と2輪車市場拡大

3、4Q円ドル80円の対応

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田中精密工業(7218・JQ)は復調。3、4Q円ドル80円対応。もう一皮むけそうだ。ホンダの見直しに連動するもので、後半も新興国、2輪車、踏み込んだ合理化が焦点。これまでにない競争力再構築が背景になっている。事実上1年で浸透した総費用削減、特命プロジェクト発足、全業務ゼロベース見直しなど1、2Q急回復につながったが、15年ぶり円高の対応半ばとあって3、4Q慎重な見通し。FRBの追加金融緩和、GM再上場が実現し円高一服とも受け取れるが、10月以降国内自動車販売が落ち込んでいることは事実で、円高のほか原材料費の値上がりも気になるところ。事実、ホンダが2Q連結累計14%増収(営業利益4・4倍)に対し、通期予想5%増収(37%営業増益)にブレーキをかけた。同社は90%以上ホンダと取引がありアクセルを踏むわけにいかない。08年3月創業60年を迎え、国内初のハイブリッド部品、米国で新機種ロッカーアーム稼働、タイでも4輪車事業拡大など翌月中期計画(3年)を発表。軌道修正、ローリングを通じて盛り返した。来年は上昇運で絶好調。首尾よくいけば、年初の願いが1年後に叶うという。鬼門を通過したようだ。

2Q連結累計は、37%増収、営業12億7900万円、経常12億9400万円、純益5億8100万円と予想以上。10月26日の上方修正によるもの。日米タイ3極体制。海外売上高が41%を占め、34%から42%になった前期を通期上回りそうだ。11年3月期(連結)は、売上高367億円(9%増)、営業利益23億6000万円、経常利益23億7000万円、純益11億2000万円に見直した。8円復配(中間4円)の予定。円高一服から上方修正も考えられる。米欧の信用不安が尾を引く一方、新興国、2輪車市場の拡大がポイント。将来4輪車のユーザーになるとしめたもの。18年(70周年)に次の幕が上がるとみられる。

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