「木曽路」の脱皮やってくる
木曽路(8160)は回復。4期ぶりに収益好転。直近きっかけをつかんだ。前半見込みより減収だが採算改善。7~9月足を引っ張っていた牛肉のセシウム問題解決(規制値の10分の1)。10月以降客足が戻り来期にかけて出店増が見込まれるためだ。11月に入りリーマンショック、震災、原発事故、円高株安の影響も峠を越した印象。2010年(創立60年)が節目。創業者を送った経緯もあり、もう一皮むけるところだ。99年に延べ30年のファミリーレストランを撤退し、翌年から10年動乱期。01年日本でBSE発生、02年新道路交通法(飲酒厳罰)施行と米国でもBSE、04年鳥インフルエンザ発生に牛トレサビリティ法施行など受難の時代、外食産業は97年の29兆円をピークに09年23兆9000億円に後退。この間4兆円から6兆円台に伸びた中食産業に押されっ放し。にもかかわらず、同社の最高純益は07年3月期16億2000万円。売上高も翌期496億円(01年3月期369億円)を計上。しゃぶ最大手「木曽路」ブランドが定着した。売上高全体の82%(2Q累計)を占める。瓦町の1号店オープンから45年を数え、創業100年を迎えるうえで再構築。来期出店6以上(今期2~4)の模様で脱皮の時がやってくる。ピークの半分になった素材屋(30)が後2、3で赤字店解消。07年立ち上げた「鈴のれん」(6)堅調という。とりかく(10)は問題なく、96年開業したじゃんじゃん亭(10)が伸び悩み。それなりに解決できる。7月の130万株売り出しは創業者の相続によるもの。相場はボトム圏とみられ、3Q以降反転も考えられる。
2Q累計(非連結)は、0.7%減収、営業損失9億2100万円、経常損失8億9400万円、純損6億7600万円の折り返し。震災後よく持ち直した。後半需要期で年末予約が相当入っている。12年3月期(非連結)は、売上高446億円(2.5%増)、営業利益7億円(2.7倍)、経常利益7億8000万円(91%増)、純益1億6000万円と修正なし。配当14円(中間7円)を据え置く予定。設備投資12億円(計画16億円)の計画。社内目標は予想以上で明るさが戻っている。2Q末172店舗、うち「木曽路」116。5月18日述べたように今後3期巻き返し。ピーク更新を目指すという。