証券ビュー

企業レポート

ボトム圏でオーラ 今村証券 9月27日 (2016.09.26)

逆境に耐え黒字確保 

富山支店立ち上げが明るい材料

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今村証券(7175・JQ)はボトム圏。1Q34%減収にかかわらず黒字確保。2Qも厳しい。9月21日、日銀が長短金利を誘導目標に緩和長期化を表明し持久戦の構え。来年4月オープンを目指し地鎮祭を終えたばかりの「富山支店」が次の一手だ。地元地銀の旧富山支店を譲り受けたもので積年の懸案に着手。北陸3県を地盤に自前のインフラ構築が仕上げに入る。2003年東証、10年大証の正会員を取得し14年JQに上場。さらに、従業員200人体制(前期末177人)で次世代のネットワークが完成。現在4万5000人の顧客を6万人、前期末1967億円の預かり資産を倍にする構想という。いち早くコンピューター化に取り組み、「アイルート」(自分たちがつくり出したソフト)のもと「アイパッド」を自在にこなし対面営業。百数十人の営業マンがスマホとタブレット端末を擁し必要な情報をリアルタイムで顧客とやり取り。デジタルでもネット証券に負けていない。バブル崩壊後4半世紀、欠かさず新卒を採用し人材を育ててきた。上場したおかげで他県出身の学生が目立つという。1Q末の自己資本規制比率679.3%。小振りながら、がっちりしている。リーマンショックでも赤字にならなかったのが語り草。前回述べたように、株券(前期43.3%)のほか債券(33.7%)、受益証券(同20.1%)など多種多様な金融商品をラインナップ。勤勉な上、変化に適応しているためだ。失礼ながら、3県4万5000の顧客すべて小口。2014年に始まった「NISA」(少額投資非課税制度)で2万近く口座開設をものにしている。順境なら大口だが、逆境になると小口が強く連帯感もよりどころ。3、4Q苦戦が予想されるだけに、富山支店立ち上げが明るい材料。仕込みに余念がない。富山県は貯蓄率が全国でも指折りで、これまで高岡と砺波に支店があり呉東入り。県庁所在地で目抜き通りの物件。延べ床面積240坪。新規顧客開拓のほか上場23社(石川県26社、福井県14社)ともビジネスチャンス。2016~18年調整運でいいポジションにつけた。2、3年後インフレも考えられるためだ。日銀は今回の緩和長期化でマイナス金利拡大が視野にあり、野村HD(8601)や大和グループ(8601)も地銀と連携を模索。証券と地銀、地銀同士も戦々恐々。現行-0.1%が-0.2%になると倍以上の影響が見込まれる。同社は経営資源すべて自前。1Q 末現預金39億円を数え、「富山支店」に約5億円投入し自己資金。1921年創業で2021年に100周年を迎えると、先祖が喜ぶに違いない。蓄財の才能が見事で、自分で築くか財産を手にする子供に恵まれる運。今村社長(72)も来年運気好調でオーラがかかっていた。2、3年後、ピーク(2014年3月期営業収益40億円、純利益8億5200万円)更新が予想される。現在、ボトム圏。逆境に耐え黒字を確保するのが先決という。

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