証券ビュー

アンコール伊勢町

NYダウ394ドル安 世界や国内の変化に適応あるのみ (2016.09.12)

前週末拍子抜け。買い一巡後売られ、後場持ち直した。メジャーSQ値1万7011円。これに伴う売買代金推定5800億円。8月29日の日経平均326円高から10日目に当たり、初動を左右する変化日だけに物足りない。
北朝鮮による5度目の核実験が伝えられ、日銀総裁が21日発表する総括的な検証を前もって首相に説明したという。当初物価2%を掲げ短期決戦で臨んだ異次元緩和が、3年半後の今日デフレに逆戻り。1月マイナス金利0.1%、7月にはETF年3.3兆円を6兆円に引き上げ、21日さらにマイナス金利拡大を含む追加緩和で限界突破という。しかし、選択肢が小出しで長期化必至。負け戦(いくさ)の公算が大きい。日銀総裁の任期5年。あと1年半で収拾がつかず、貰うものをもらい退官。責任を取らず退職金が振り込まれると天下のさらしもの。9日の日経29面で慶大の櫻川教授が「量的緩和やめ金利復活を」と述べ、破綻回避に魔法のつえなしと結んだのが印象に残った。同日、同志社大の浜教授も中日の25面で遠慮なく露骨に日銀のETFとGPIFの市場介入を罵倒。緩和撤退を促した。週明け新ポジションで始まり21日を迎えるが、9日東証一部の時価総額507兆円に対し、裁定買い残の比率わずか0.1%。経験則で0.2%を切ると暴騰するといわれ理外の理。22日失望売りで急落しても、27日配当落ち後急騰も考えられる。政策を間違ったところで市場も討ち死にすると限らない。8、9月間違えるなと述べた。民主主義が資本主義をコントロールできなくなったのが主因。世界中で積み上がった中央銀行の返済不能国債が足かせ。きっかけ次第で市場が動転するのも当然だ。その点、櫻川教授の論理が痛快。中前忠説同様に引用する。金融の期待理論では、10年後も短期の名目利子率ゼロと予想すれば、イールドカーブ(利回り曲線)が完全にフラット化して長期金利もゼロになる。そして、デフレに逆戻りする。マイナス金利導入が量的・質的金融緩和の命運を絶った。250兆円に達するベースマネーが無駄玉に終わったと手厳しい。正論であり溜飲が下がる。しかし、市場の作用・反作用は別物。裏目に出ることもしばしば。このため、週明けから月末まで3週間。嵐の前の静けさが一変する見込み。20、21日FOMCと日銀の政策決定会合が重なるだけに大揺れ。市場が残らず先取りして解を出すはずだ。
9日の日経平均6円高。大引け1万6965円。TOPIX1343(-2)。東証一部の出来高17億6400万株、売買代金2兆1600億円。12月限が1万6860円(-0.23%)の引け。10年債利回り-0.015%(+0.025%)。上海総合が3078(-0.55%)で引けた。マザーズ指数の引け968.72(+1.66%)。すかさず切り返した。値上がり率ランキングによると、■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)など関係分。どれもこれも中長期強気だ。8、9月肝腎なところで、もちこたえると10、11月強い。正しいか間違っているかでなく、世界や国内の変化に適応あるのみ。日本は消去法で残る。このため、隗より始めよ。手近なこと、いい出した人から始めよ。■■■■■(****)の動きを見ているとわかる。前週末、9月利上げ説が台頭し、NYダウ394ドル安から火蓋が切られた。(了凡)