来年も運気好調 OSG 8月24日 (2016.08.23)
一服後の反転楽しみ
設備投資続行し航空機需要に対応
OSG(6136)は小反落。直近2期ピークを更新し一服。連結4.8%減収、10.7%営業減益で折り返した。7月7日の下方修正によるもので、中国と米国の伸び悩みに円高が主因。為替(2015年上期1ドル120.16円)の影響を除くと売上高横ばい。3Q尾を引いているものの安定しており、ビジネスチャンスが続いている。メキシコ、インド、イタリアなど健闘。ブラジルでも黒字を確保しているほか、航空機向け(推定約10%)が堅調で中長期20~25%を視野。超硬40億円をはじめ設備投資125億円(前期同)続行し意欲的だ。同社は、2013年9月からAMRC(世界最大で官民一体の最先端航空機産業研究所)に加入。15年6月最上位約20社のメンバー(一般参加企業約60社)に昇格し技術者を常駐。世界の航空機情報収集と製品開発の一翼を担っている。タップ、エンドミル、ドリルなど主力製品の世界シェア№1を掲げポスト自動車、100年企業(2018年創業80年)に目星をつけた。2年後、リーマンショックから10年を数え、金融危機の正体がわかるだけに、業界再編が加速する見通し。中期計画に盛った連結売上高1500億円、営業利益300億円(2020年11月期)も夢でない。07年まで約70年オーナー経営、リーマンショック直前から約10年エビデンスによる新体制のたまもの。これから2年、次の100年を先取りする動きが予想される。円高ユーロ安を追い風に2015年7月デグランジェス(仏)、16年3月アマムコ・ツール(米)を買収。このほかアイルランドやベルギーなど案件豊富。航空機に強い中小工具メーカーがコラボの対象で、売上高10~20億円規模のケースが多いという。このため、上期現地通貨ベースで欧州のみ23.5%増収(6.7%営業増益)になった。前回述べた佐賀県武雄市の子会社を通じて30億円投入し材料の新工場を建設。愛知県豊川市の大池工場(超硬主力)も10億円投入し2割増強に踏み切った。2020年11月期、超硬エンドミル1.7倍、同ドリル2倍(14年11月比)の計画も述べた。国内で半世紀振りMRJ完成機の生産が本格化する見込みでタイムリー。来年も運気好調で石川社長(60)と同運だけに拍車がかかりそうだ。
2016年11月期(連結)は、売上高1060億円(5.3%減)、営業利益180億円(16.7%減)、経常利益177億円(17.7%減)、純利益107億円(14.5%減)に見直した。さらに4円増配し50円配当(期末28円)の予定。最近、コーティングサービスの工場増強が目立ち、超硬製品のほかAタップをはじめコーティング付タップ、ダイヤモンドコーティングの需要増に対応。保守・メンテナンスにも力を入れている。7月7、8日本社にデモルーム全面改装披露。知能ロボットや工作機械が登場し加工映像をネット配信するなど臨場感が高まった。一服後の反転が楽しみだ。