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企業レポート

ピーク更新し踊り場 名工建設 7月27日 (2016.07.26)

ビジネスチャンス続く 

100年に一度のプロジェクト

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名工建設(1869)は一服。直近3期大幅にピークを更新し踊り場。依然、ビジネスチャンスが続いている。鉄道関連受注が高水準なうえ、日本郵便と共同事業の「JPタワー」が来年4月全面稼働。今後、リニア開業(2027年品川~名古屋)を踏まえ相当な不動産収入も見込まれるためだ。6月28日の総会でJR東海(9022)出身の渡邉社長(63)が就任し新体制。第16次中期計画(2015~17年度)を通じて重大な労働災害・鉄道運転事故ゼロ、連結受注高・売上高800億円、経常利益率3.0%(前期5.8%)を目安に4つの経営目標実現を目指す。安全の確保と信頼性の向上、大規模プロジェクトの確実な施工、ゼネコンとして地位堅持。そして、揺るぎない経営の確立。リニアの場合、総理が11日参院選圧勝を受けて最大8年全線開業繰り上げを表明した財政投融資の目玉事業。旧国鉄名古屋駅完成(1937年)、同社設立(1941年)から数えても100年に一度のプロジェクト。名古屋鉄道局管内の土木・建築請負を目的にメンテナンスがルーツで、次の100年も補修・補強で切り盛りできる。このため、経済合理性のほか4つの経営目標が使命になった。事実、人手不足で土木の要員確保に拍車。建築や事務方の応援で持ち切りだ。前期4度上方修正し連結最高益を更新。14円配当(3円増配)に踏み切った。今期も人手不足を主因に慎重だが、25日発表した1Qによると上振れ。新幹線大規模改修工事追加に同脱線・逸脱防止対策工事やリニア関連工事の増加。採算の改善も見込まれるためだ。事実、「次の100年」の仕込みが始まった。JPタワーにしても、旧本社再開発の一環で名駅1丁目1番1号の物件。東京と福岡に次ぐ「KITTE名古屋」の商業施設が呼びもので人気上々。南海トラフ巨大地震の触れ込みから耐震構造もセールストーク。共有18万㎡のうち約1割が同社の持ち分といわれ、自己資金52億円余りで初動がよかっただけに、オフィスやテナント入居にも追い風。大名古屋ビルヂングに続きシンフォニー豊田ビル、JRゲートタワー(2017年2月完成予定)を通じて仕込み本格化。代々木ゼミナール名古屋プロジェクト、グローバルゲート、名鉄百貨店本館ビル(27年までに開業予定)を視野に10年がかり。その都度脱皮しそうだ。

2017年3月期(連結)は、売上高860億円(5.2%減)、営業利益24億5000万円(52.1%減)、経常利益27億円(49.5%減)、純利益18億円(45.9%減)の見通し。14円配当(中間7円)を据え置く予定。2、3期前に戻るような印象だが、受注の反動によるもので一時的な調整場面。再び前期の売上高916億円、営業利益51億円をとらえる時がやってくる。前期、えちぜん鉄道や清須市本庁舎、みよし市の図書館関連工事などそつなくこなし士気に手ごたえ。スミック工法も5億円から16億円レベルに挑戦。トータルで活気が出てきた。JR東海は先行投資と政府関与でやりにくそうだが、新社長が来年、再来年運気好調で社運を後押し。ファンダメンタルズの好転も見逃せない。

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