証券ビュー

森羅万象

「子供らの英語の窓の花葵 汀女」 (2016.07.22)

昭和の風林史 (昭和四九年七月二十二日掲載分) 
古品限月本命 小豆相場暴走へ
遠からず小豆に爆発的な買い気が集中するだろう。
しかも小豆の古品限月が割り出す。
「子供らの英語の窓の花葵 汀女」

手亡は仕方ないというムード。
行くところまで行かねばならない。
利食いしてみたが、存外固い。
それで買い直したという相場だ。

次は小豆に火が付く。
去年は八十万俵の在庫があって、
しかも豊作型の天候を七月13日二万円指呼の間に買った。
巨大な仕手の介入と、過剰流動性資金の市場流入。
そして世界的な穀物不足、加えてインフレである。

今年は小豆の在庫四十万俵。去年の半分だ。
しかも現実の不作である。
低温、日照不足がこの先も続けば凶作である。
人々は、なぜか強気になれない。
インフレ、地価上昇は、
昨年のテンポよりも激しい。
政府も凍結物資の価格をほどかざるを得ないありさまだ。
小豆相場は値ごろを気にしていては今年の場合、
手を出す事が出来ないだろう。
結局、凶作決定的という時点で
天井を打つ相場と見ておけばよい。
それまでは強烈に強気一貫である。

山梨商事の霜村昭吾氏は
『シカゴの穀物相場も底打ちしたようだ。
イリノイ州の天候は
北海道の天気より悪い状況が続いている。
ピービーンズにしても古品で
六〇キロ二万三千円以上である。
グレード・ノーザンのNo.1など品物が無い。
手亡にしても小豆にしても、
予想もしない大相場が展開するだろう』

帯広の積算気温は39年凶作年よりも悪い。
39年帯広の小豆は反当たり
〇・三三俵の収穫(全道平均〇・八俵)だった。

手亡は今となっては大衆筋は怖くて手が出ない
(本当は判りやすくて早いのだが)。
従って凶作人気の買い気は小豆に集中しよう。

小豆が今のカタマリを上に抜いてくると、
二万円抜けば火の玉である。
そして手亡同様古品が割りを出すだろう。
凶作年(49年産)の新穀よりも
豊作年(48年産)小豆の古品のほうが
品質は安定している。
現物を持つなら梅雨も明けるのだし、
昨年産に人気が集まるだろう。

今週あたりから、
いよいよ小豆本来の派手で活発な相場が展開されよう。
まだ弱気が多く、買いにくい
という市場だから強気有利なのだ。

●編集部注
ここからもうしばらくすると、
米国でニクソン大統領が辞任する。
そのころ日本では
スカイダイビングで死亡事故が起こる。
そんな転がり落ちる相場が間もなく始まる。

【昭和四九年七月十九日小豆十二月限大阪一万八一一〇円・六〇円高/東京一万八八五〇円・一〇〇円高】