証券ビュー

アンコール伊勢町

100円割れ転機に 市場でも残留派が勢い取り戻す (2016.07.11)

前週末続落。日経平均一時170円安。TOPIXが安値引けになった。SQ値1万5331円算出後、ポジション調整売りが主因。引け間際に小口の換金売りが続出した。1ドル100円割れの攻防に「落ちるナイフをつかむな」とばかり底入れ確認前の変化日。6月24日英国EU[離脱に伴う100円割れ、日経平均1286円安から10営業日数え最初の関門。よりによって、野村証券の超悲観シナリオが水を差した。7日明らかになったもので、「1年後の日経平均6500円」という。日銀が政府債務を引き受け、円の信認低下により悪い円安と株安をもたらすとの趣旨。野村は5月に「年末1万9000円」を出したばかり。売りポジションをつくり、手の平を返したといわれても仕方がない。日経が6月の空売り比率最高と伝えた。8日も44.0%を占め、HFT(超高速取引)の約定が4割強にのぼり拍車をかけている。同時に米国の空売りファンドを5段抜きで紹介。宣戦布告をつげる内容だ。折から信用・裁定買い残がボトム圏に達し、円ドル50日移動平均が15%以上開き一触触発。100円割れが転機と述べた。6月24日の安値1万4952円に対し、週明け2番底を見越して反発。7、8月戻りを試す場面とみられる。この下げ、タチが悪いのも事実。きっかけになったイタリア大手銀やドイツ銀の不良債権と英国不動産ファンドの解約停止が2008年のリーマンショックと同様、前年8月にBNPバリバ関連のファンド解約停止が口火になり酷似している。つまり、「リーマン前夜」というわけだ。しかし、英国でEU離脱派の熱狂が冷めたといわれ、納得いかない残留派から不満の声拡大。離脱派の方が追い詰められている。9月にサッチャー以来の女性首相が誕生し、2年の猶予期間でEU と見直し作業が行われるものの波乱含み。EUは、1952年のECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が前身で、第1次・2次大戦をトラウマに冷戦時代こそ機能したが時代遅れ。英国と同時にEUも見直しを迫られた。短兵急に空売りしても底叩き。買い戻しに追い込まれるのが落ち。信用・裁定買い残が目一杯膨らみ、「リーマン前夜」を迎えたわけではない。万一、米大統領選でトランプ氏が勝ち、来春フランス大統領選、その後ドイツの総選挙で体制側が敗れると日経平均6500円も考えられる。しかし、「リーマン前夜」何するものぞ。まだ体制側に力が残っている。8日、一矢報いる変化日。週明け市場でも残留派が勢いを取り戻すはずだ。この儘で終わらない。

8日の日経平均169円安。大引け1万5106円。TOPIX1209(-16)。東証一部の出来高18億4500万株、売買代金2兆円(SQ900億円)。9月限が1万5120円(-0.92%)の引け。10年債利回り-0.285%(-0.005%)。上海総合が2988(-0.95%)で引けた。マザーズ指数の引け962.89(-1.77%)。19日先物が上場され流れが一変しそうだ。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■■(****)■■■■(****)が印象的。いわば、戦争なしに経済成長を目指すもの。1、2%成長では富の集中しか起きないという。五輪、リニア、カジノなど陳腐化。残ったフロンティアがIT、バイオといわれる。■■■(****)■■■■■■(****)を軸足にアタリを待つ構え。前者220円台、後者1000円台割れがボーダーラインだ。(了凡)