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企業レポート

3月から出直し 木曽路 7月5日 (2016.07.04)

マンネリ一掃し再構築 

主力の「木曽路」に経営資源集中

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木曽路(8160)は出直し。主力の「木曽路」(しゃぶしゃぶ)に経営資源を集中。6月から変わり始めた。トップ交代に伴う一連の見直しによるもので、3月10日に吉江会長(68)が社長を兼務。株主総会でエールが送られたという。1993年から2006年まで社長を務め、ファミリーレストラン撤退、BSE、新道路交通法施行(飲酒厳罰)、鶏インフルエンザ、さらに牛トレサビリティ法施行など難局を舵取り。2007年3月期最高純利益(16億2000万円)をもたらした。前社長が一身上の都合で辞任し10年振り現場復帰。1966年民芸風しゃぶしゃぶ「木曽路」開業(瓦町店)50周年とあって真っ先にテコ入れ。海鮮や一品料理、コースなどメニュー改定に取り組みマンネリを一掃した。監査役の青野康徳氏(65)が取締役に就任し現場支援。7月に手ごたえがわかるという。前期末165店舗(△4)。減損23店舗6億5200万円(直前期24店舗6億1400万円)計上しほぼあく抜け。今期の出店5(前期2)、退店5(同6)。設備投資15億6000万円(同12億7200万円)の計画。「木曽路」119店舗変わらず、焼肉の「じゃんじゃん亭」14(前期末10)と「とりかく」11(同10)が増加。2012年10月1号店を出したバル業態「ウノ」を名駅前の1店舗を除き撤退。原価高と新規参入で採算が合わないという。前期、4月22日に売上高と営業利益を上方修正。今期、4月の全店売上高2.87%増(既存店3.25%増)と出足よく、5月同2.12%減(同1.27%減)で一服。6月の日銀短観で大企業のDIが3月プラス6から横ばい。3ヵ月先も横ばいの見込み。それに、6月23日英国の国民投票でEU離脱が決まり円高が逆風。「木曽路」は日経平均に連動するといわれ、7月以降も再構築の積み重ね。サステナビリティ(持続可能性)を掲げ課題と取り組む意向だ。前回述べたように、昨年後半から調整運。3年続くだけに「新しい木曽路」をつくる仕込み。「次の社長」を世に送り出すラストチャンス。従業員1222人(前期末)のモチベーションアップが望まれる。吉江会長兼社長、青野取締役も運気好調。2016、17年富士の裾野を一歩一歩のぼるポジション。2012年(設立60年)から22年(同70年)にかけてもう一皮むける。100年企業の登竜門に相当し生まれ変わるところにきた。

2017年3月期(非連結)は、売上高450億円(1.9%増)、営業利益6億円(19.4%増)、経常利益6億6000万円(32.7%増)、純利益9000万円の見通し。配当14円(中間7円)を据え置く予定。既存店2.2%増を見込んでいる。総務省が1日発表した5月の家計調査によると、全世帯(単身除く2人以上の世帯)の実質消費支出1.1%減。3月5.3%、4月0.4%に続き3ヵ月連続減。2014年2.9%、15年2.3%に続き3年連続減でもあり正念場。「木曽路」の場合、119店舗めいめい地域や社会の変化に適応を迫られた。株価は10年前の水準。5月から弱もち合いになっている。

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