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企業レポート

新体制第2幕 大宝運輸 6月29日 (2016.06.28)

反転が一巡し踊り場 

地域に根を下ろし物流拠点再構築

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大宝運輸(9040)は横ばい。反転が一巡し踊り場。6年前立ち上げた新体制が第2幕を迎えた。中規模の物流会社として自社の特徴を生かす市場を開発。ステークホルダー(利害関係者)がいきいき働ける職場を目指すもので、創業100年(2020年)、同110年を視野に模索本格化。ゆくゆく川上から川下までプラットホームが生まれ変わる見通し。戦後70年、曲がりなりに平和が続いた成功体験の修正場面。6月24日、英国が僅差でEU離脱を決めた国民投票と共通するところもある。英国の女王を自国の国王とする16の国々と38の共和国で英連邦を構成。人口20億人、世界貿易の20%を占める英語圏のステークホルダーにつながるためだ。2013年11月、名南支店(名古屋市港区)が拠点再構築の口火。14年1月春日井・黒川支店統合に続き新たな支店が具体化する見込み。経済合理性のほか40年以上続いた教育立社、門戸開放、自力実行の積み重ね。運動会や文化祭、物流フェステイバルなどを通してリーダー輩出。社員レベルで「知識の限界が思考、行動、成果の限界」という原則を理解している。6月12日の物流フェスティバル(21回)が印象的。草の根から突き上げるような向上心が爆発した。事業の維持・拡大に人員が足りない現状で有力な人材が山のようにいる。前期末の従業員392人(平均45.8歳・勤続13.2年)。若返りが必要なことも事実だ。一方、直前期より車両を購入からリースに切り替え。期間終了後、再リース、購入、返却後新車の3択が生まれ合理的。問題解決の輪が広がっている。前期22件数えた事故が今期4、5月度ゼロ。連続して無事故報奨金を全支店に渡した矢先、6月度に2件発生し肝を冷やした。踊り場に違いない。15日の総会も語り草。上場来初の質問が飛び出し約35分で幕。それも新体制を激励し地域密着、顔の見える関係に終始した。売上高105億円(2008年3月期)をピークに伸び悩み、前期88億円をボトムに前向きだが、1Qビール業界前年割れが伝えられ出遅れた模様。「猛暑」期待という。全日本トラック協会によると、4~6月業界の判断指標△40.7(1~3月△30.9)に悪化。宅配を除き一般貨物、特積貨物も下振れ。同社の感触と似ている。

2017年3月期(非連結)は、売上高91億円(3.3%増)、営業利益3億円(1.8%減)、経常利益3億2000万円(2.7%減)、純利益1億6000万円(68.3%減)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資1億円(前期1億3300万円)の計画。6、7年前から三菱重工向け航空機部品輸送に実績。10年スパンで拡大が見込まれる。食品関連5割、うち飲料関連2割といわれ優良顧客が多い。しかし、数年後1ドル65円説が伝えられ、戦後70年続いた現体制の修正が不可欠なことも事実。地域に根を下ろし物流拠点再構築。顧客と川上から川下まで取引を見直し、「連邦」経営に脱皮するのもユニーク。営業開発の動きが一段と活発になっている。4月1日付で女性の活躍推進に向けた行動計画(5年間)をまとめた。男性の育児休業取得実を3%まで上げ、産後働きやすい環境をつくるのが骨子だ。

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