証券ビュー

森羅万象

大暴落がある  反発反騰皆売れ (2016.06.24)

昭和の風林史 (昭和四九年六月二一日掲載分)
売りたい弱気がふえなければ、
相場は戻り反発反撃反騰これ皆売りになる。
相場の大局暴落含み。
「もち古りし夫婦の箸や冷奴 万太郎」
ケイ線万能者は、線型のみを信ずる。
産地の天候も作柄も、需要供給もその中にない。

信ずるものは強し。
戦陣訓詞本訓 其の一の第七。必勝の信念。
「信は力なり。自ら信じ毅然として戦う者常に克く勝者たり」

ケイ線信者には、
どこか毅然としたところがある。
しかし、その毅然さにはどこか哀愁がただよう。
なぜならば、信じていながら、
信じきれないものが残っているからだ。

相場のケイ線などというものは
忽然と当たる時もある。
しかし、当たらないことのほうが多い。
ただし、当たらないケイ線でも、
あとから見ると、
絵に書いたように的中また的中している。

ケイ線信者が必勝の信念を持ちながら、
なんとなく哀愁の影を引くのは
この間の事情を知るからである。

この事は
取引員各社のトップ・セールスについても言える。
彼らは
〝興奮と絶望の谷間にさまよう〟人種である。
時に飛ぶ鳥落とす勢いを持ちて
六本木あたりのカウンターで
天を衝く強弱を説くかと思えば、
ある時は
地獄の底からうめくが如き声で絶望する。

だが新撰組はきょうも行く。
破れ破れたケイ線信者も、
地獄の底にあえぐトップ・セールスも
〝明日(あす)を求めて〟
消えた希望の火を再び燃やす。

森羅万象眼中に無く、
小豆の線型二本只今凝視すれば大暴落あり。
先限一万五千五百円これ趨勢ならんや。

毅然として活目せよ。
小豆相場惨落の兆しあり。
先限引き継ぎ千円棒
すでに折れて黒線を垂れたり。

不吉の風は楼に満ち山雨来たらんと欲す。
三日新ポの不吉は依然として続いているのだ。

六千五百円は買うだろう。
当面は七千円台の動きかもしれない。
しかし日時を経過すれば六千円中心の動きになっているだろう。

市場に買いたい弱気の存在するあいだは、
この相場に芯が通らない。
東は東、西は西。
ビギンザビギン、弱気は弱気、
売りは売りでなければアクが抜けない。

陰きわまらん事を欲す。
戻し、反発、反騰、反撃これすべて売りと知れ。

●編集部注
ロジックが通用しない相場である。
よく「三空」というが、
あまり上手に決まったためしがない。

【昭和四九年六月二十日小豆十一月限大阪一万八一八〇円・七〇〇円高/東京一万八一八〇円・七〇〇円高】