証券ビュー

企業レポート

さらに2円増配 ヨシタケ 6月22日  (2016.06.21)

連結増収増益の見通し 

市場拡大に備え「海外本社」本格化

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ヨシタケ(6488・JQ)は攻勢。連結増収増益の見通し。さらに2円増配し期末26円配当の予定だ。タイの100%連結子会社ヨシタケ・ワークス・タイランド(YWT)の生産本格化。一段と採算の改善が見込まれるためだ。YWT設立から20年。日本をはじめ中国、アセアン、中東、北米など市場拡大に備える「海外本社」。2011年タイ洪水をきっかけにアユタヤの旧工場売却を決定。前期、減損1億7800万円計上している。バンコク郊外100キロの地点に25億円投入して新工場を立ち上げ、2度目の事業確立期に入った。前回述べたように、山田社長(46)が現地入りして3年。長引くタイ国王(在任最長70年)の入院に気遣いながら日系企業の回復を下支え。景気停滞の中で力強さもうかがえ期待をもてる。同社は自動調整弁の専業メーカー。建築設備に多く使われ、蒸気に強く更新が比較的早いのも特徴。品質、価格ともに国内と肩を並べるYWTが今後の戦略拠点だ。前期末、連結在庫8億円(15.7%増)持ち強気。自社のほか他社製品を調達しユニット化に意欲。現場効率化、工数低減、コスト削減に加え、マーケティング、ターゲットを絞ったユーザービジネスなど一皮むけた印象。それでも北米が在庫調整、中国経済減速、煽りを受けた東南アジアも動きが鈍く健闘の部類。国内でも首都圏や地元名古屋の駅前再開発でホテルや商業施設のニーズにこたえている。5月30~31日東京で開いた第22回国際交流会議「アジアの未来」によると、前回述べたAEC(アセアン経済共同体)を通じて地域統合を進め全体の成長を後押し。域内のインフラ整備に膨大な需要があるという。世界経済が停滞し各国とも下方修正を迫られる中でタイが出色。昨年から対策を講じ景気刺激を前提にプロジェクトを準備していた。多様な輸出品目を揃え、事業基盤が強いことから2016年1Q も輸出続伸。タイ経済は公共投資や海外から民間投資、観光客も増加し、世界不況の中で3%成長が見込まれるという。副首相のソムキット・チャトゥシピタク氏(62)は知日派。タクシン政権で活躍している。日タイ経済連携協定交渉にもかかわった。事前に準備すれば対応可能。準備の準備までいくと申し分ない。同社は2014年後半から上昇運。山田社長も同運で16~17年絶好調。YWTが救世主になりそうだ。

2017年3月期(連結)は、売上高64億3000万円(1.0%増)、営業利益5億7000万円(17.7%増)、経常利益7億8000万円(11.8%増)、純利益5億5000万円(9.3%増)の見通し。設備投資は流動的で2億円(前期2億4900万円)レベル。バランスを取り戻し明るくなった。将来、連結売上高70億円大台突破。同純利益6億4100万円(07年3月期)更新を視野。海外20%を50%に引き上げ国内に匹敵する拠点に育てる構え。国内も東京五輪、リニア開業にかけてこれまでにない盛り上がりが予想される。連結純資産96億円に対し時価総額48億円が物足りない。更新需要が6~7割占め安定しているのも強みだ。

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