初押しイベント尽め 安全資産の魅力が一挙に高まる (2016.06.02)
6日振りに反落。日経平均一時326円安。引け一段安になった。前日111円台の円安から110円台で膠着状態が続き、結局109円台の円高に振れたのが主因。NY休場明け4月の米個人消費支出改善を材料に早期利上げ観測が流れ反落したのを受けた。日経平均が5連騰で734円上げ初押し。2日OPEC総会とECB理事会、3日米雇用統計発表を踏まえ、10日メジャーSQに向けてポジション調整の一環。23日英国の国民投票にかけてイベント尽め。見送り気分が強い。1~3月期の法人企業統計を見ると、設備投資がソフトを含め前年比4.2%増で12四半期連続増加。ソフトを除くと12.5兆円を数え、リーマンショック直前08年1~3月15.5兆円以来の高水準。うるう年効果で年率1.7%にかさ上げされたGDP速報値が2.0~2.5%上振れしそうだ。前日6~7月米利上げが円高、追加緩和に跳ね返る思惑で買われただけに手返し。直近の裁定買い残1兆8000億円、信用買い残2兆5000億円といわれ薄商いが続いている。首相はサミットでリーマン並みの世界危機再来リスクを伝え、消費増税再延期、大型補正、財政健全化目標維持などに言及。メガバンクが国債格下げ懸念に気をもんでいるが、増税を予定通り実施して国際公約を果たしても、来年4月以降さらに内需が落ち込めば格下げにとどまらない。金利急騰も予想される。ゆえに、首相の増税再延期よし。前日述べた「解散が筋」が合理的にしても、同日選なしで折り合いをつけた。受け売りだが、財政再建を唱え既得権の温存を図る財務省のプロパガンダにメディアが同調。日本の財政破綻説が根強い。しかし、政府のほか日銀や関係機関を含めた連結ベースの純負債しめて170兆円。実質GDP(2016年推計531兆円)の32%に過ぎない。英米が半分以上だ。財務省は政府単体BSのうち、負債のみ強調して危機を煽っているという。格下げで外資が売ろうとびくともしない。23日、英国の国民投票でわかる。マイナス金利4年のデンマークが一例。4月の消費者物価指数前月比0.1%で横ばい。2ヵ月連続伸びゼロになった。金利を下げると物価が上昇する逆相関なし。デフレが定着した。そこへ、英国がEU離脱となれば安全資産の魅力が一挙に高まるという。クローネと比較できないが、格下げしても円高に振れ一時的に大幅高になりそうだ。円高を受け入れないと本物の株高につながらない。
6月1日の日経平均279円安。大引け1万6955円。TOPIX1362(-17)。東証一部の出来高19億9500万株、売買代金2兆1100億円。6月限が16970円(-1.51%)の引け。10年債利回り-0.115%(+0.05%)。上海総合が2913(-0.11%)で引けた。マザーズ指数の引け1127.92(-1.46%)。今回スケールが大きい。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■■(****)のみ。■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■■■■(****)が値を保った。活躍の余地がある。■■■(****)は陰の極。閑散に売りなし。大台割れ買い増しだ。マザーズ指数先物7月上場にかけてマニアの青天井相場。小型株だけに投機色が強く、動き出すと理外の理。日経平均も中間反騰が見込まれる。 (了凡)