証券ビュー

企業レポート

円高こなし堅調 マルサンアイ 5月26日 (2016.05.25)

熊本で協力工場被災 

鳥取の連結子会社新工場初動よし

 企業HPご案内   前回の企業レポート

マルサンアイ(2551)は増収確保。円高をこなし堅調な折り返し。通期予想を据え置いた。4月25日の修正発表によるもので、鳥取に子会社・新工場立ち上げのさなか、熊本地震で協力工場が被災したため。5月9日熊本が生産再開にこぎつけ、23日鳥取で地鎮祭とめまぐるしい。操業停止(20日間)により本社と関東工場の稼働率を最大限引き上げた。豆乳関連商品の約1割、延べ17品目販売休止にとどまり不幸中の幸い。昨年11月トップ若返りを表明し新体制で乗り切った。新工場の総投資77億円。国や鳥取県、鳥取市から20億円補助金が出る上、2月16日から未曽有のマイナス金利。当初20人の求人に80人以上応募があるなど天の時、地の利、人の和そろって初動よし。今期53億円の設備投資計画に若干余裕もうかがえる。1980年豆乳参入から最大のビジネスチャンスを迎えた。豆乳等生産量によると、2015年歴年で30万3400kl(前年比8.4%増)を数え5年連続ピーク更新。16年1~3月7万1000kl(3.9%増)と続伸。青臭さが抜けておいしくなり従来の健康飲料から脱皮した。中高年のほか若年層に顧客が広がり、食材の定番も登場し市場が拡大している。新工場の運勢を調べると2月から上昇運。23年まで続く。まとめ役で時の経過と共に高く評価されるという恵まれたもの。同社は過去36年のノウハウを結集し最新鋭設備を目指す意向で6月着工、来年3月テストを踏まえ同7月本格稼働の見通し。これまで10万klの能力が段階的に15万klになるという。その点、豆乳グルト(2015年モンドセレクション金賞受賞)が今夏西日本にも販売が広がり一部玉不足。10年発売し東日本で2億円といわれ知名度上昇。相当な需要増が見込まれる。このほか鍋スープ(今期計画7億円)、アーモンド飲料(同12億円)など2ケタの伸びが予想され、創業70年(2022年)にかけて連結売上高300億円を視野。3~4年償却負担を消化し最高益(15年9月期5億1600万円)更新も考えられる。2012~13年の合理化投資でルーツの味噌が黒字転換したのが大きい。連結子会社の匠美、玉井味噌よし。上海苦戦。持分法のソイ・プロダクツまずまず。「ひとつ上の豆乳」がリニューアル後人気化。今期3~4億円さばくといわれる。熊本と鳥取その後が課題。トップが6年若返りバッテリーも一新された。伊藤会長(65)が前期最高益で花道をつくり、渡辺社長(59)は熊本と鳥取の課題を解決しピーク更新を目指すポジション。事業100年の布石を打っている。

2016年9月期(連結)は、売上高244億0500万円(2.9%増)、営業利益4億7200万円(25.1%減)、経常利益4億5400万円(42.7%減)、純利益2億8400万円(45.0%減)の見通し。3月21日に5株を1株に併合したため期末配当30円(前期10円)の予定。計画通りみそ47億4500万円(1.8%増)、豆乳143億7200万円(同)を見込み地についたもの。意欲と慎重さがにじんでいる。

>>購読ご案内