昭和の風林史(昭和四九年四月二二日掲載分)
休み明けの小豆は異常天候を
実際に感じて再び人気化しよう。
当面まず八千百円に向かう相場だ。
「くらがりの花屋の桶の金盞花 青麦」
およそ二千円幅を日足11本で騰げ、
そして市場人気を強いものにした。
ここでの押し目〝時間調整〟の意味もあり、
また買い玉のふるい落としや売り込みを誘うなど、
歓迎されるものである。
いずれは一万八千円→九千円→二万円の相場が
展開されるわけだが、
いま現実の問題としては①天候相場に少し早すぎる
②荷圧迫懸念③総強気警戒
④大手投機筋の利食いなどがあって
一万七千五百円は『いいところ』でもあった。
二千円上げに対して三分の一押しなら
一万六千九百円地点が急所になるし、
半値押しなら一万六千五百七十円どころ。
ここで注意深く見守る必要があるのが産地相場である。
前回の下げ(三月2日から四月2日まで)で、
産地相場は非常に頑強だった。
少なくとも消費地相場のような下げ方はしなかった。
これは何を意味するのか考えなければならない。
今回の16日からの下げは
あくまでも歓迎される押し目である。
押し目とは、
再び上昇するためのエネルギーの補填であり、
伸びんがための竹の節(ふし)である。
先限節足新値九本で二千円を伸ばし、
ここで日足三本新値五ツの軽い呼吸をした。
相場の勢力は目先的に
押し目幅の倍返し八千円抜けが約束されている。
作付け面積。長期予報。諸物価との比較。
田商品市場の人気沈下。
人気的に穀物相場が本命になろうし、
そのファクターが充分に揃っている。
それにしても面白いのは人気の頼りなさである。
押したら買いたい、押したら買おう
―のあの人気が、
いざ実際に相場が押してくると買いきれない。
こういうときは、
先に行けば必ず高値がある(想定・可能性)
という不動の信念に基づいて、
予定通り買えば判りやすいのである。
二段階、三段階と買い下がるつもりなら
〝しんにゅう〟かけた保険の保の字だ。
この日(19日)、北海道に雪が舞う。
20日の長期予報は悪いだろうと伝えた。
休日明けの相場は、
押し目を入れたあとだけに
スッキリした伸びを見せよう。
●編集部註
この記述通り、週初に相場はスッキリと伸びる。
【昭和四九年四月十九日小豆九月限大阪一万七四一〇円・四一〇円高/東京一万七三七〇円・四七〇円高】