証券ビュー

森羅万象

積極買いよし 上伸は一瀉千里 (2016.04.13)

昭和の風林史(昭和四九年四月八日掲載分)
小豆相場は買いの一本道だと思う。
産地相場が意外に底堅かった事を改めて考えてみる必要あり。

「諸子釣しきり釣れてなに思う 黄枝」

今週は仕事にならないかもしれない。
ギリギリでもよいからストが回避されたらどれだけよいか。

日本の経済は、大変な損失であり、
国民生活に及ぼす影響は大きい。

三月末の豆類需要は四市場の在庫が
四十二万五千七百八十四俵。

このうち十五万三千二百六十九俵が48年産(新穀)である。

新穀の入荷量が少なかったこと
旧穀受け渡し供用の打ち切られた今月の納会を心配する人が多い。

相場のほうは一月四日、二月四日、三月四日と奇しくも
それぞれの月の四日が転換日になって、
それでは四月四日が―と注目していたら、二日の日に底入れした。

2月4日に対してその裏の4月2日。
これは単なる数字合わせでなんの意味もないと思う。

業界の相場達者な人たちに聞いてみると、
総じて『ここからすぐに高値を出してしまうと、
あとの楽しみがなくなる。
一万七千円、八千円、九千円という動きは、
天候相場に入ってからのほうがよい』―。

しかし、また別の見方もある。
カネツ貿易の若林会長は、
氏独特のクールな相場観が常に注目されるが
『私は今年は基本的に
小豆相場が大きく崩れる年だと見ている。
相場革命、物価革命といわれて
現在、高水準に位置している小豆だが
静かにみていると供給過剰を、
ともすれば忘れている。
昨年、一昨年も供給過剰であったが
仮需要の花が咲いて狂乱場面を展開したが、
本年は違うと思う』と。

産地農家は手取り一万円を一万三千円。
一万三千円を今度は一万五千円と
米価等の価格高騰に比例して
小豆の値段も引き上げようとしている。

従って、農家手取り一万五千円を望むなら、
運賃諸経費を上積みして
消費地相場一万七千二百円以上でなければならない。

三月の相場で、北海道定期が
予想外に頑強だった事を誰もが気づいていた。

消費地相場が
千八百円(先限引き継ぎ)幅も下げたのに
北海道先限引き継ぎ線は
千二百円しか下げていない。
そこのところに小豆相場の今後の動向が
秘められているように思う。
相場は買いの一本道である。

●編集部注
 昨今、デモはあってもストがないのは何故か。

 どこかクールな印象だ。

 冷戦も続いているこの時期、
まだ世情は不穏で、世相は未だ熱かった。

【昭和四九年四月六日小豆九月限:休場】