踊り場迎え正念場 カネソウ 4月12日 (2016.04.11)
新ライン具体化見もの
ロングランのビジネスチャンス
カネソウ(5979)は踊り場。反転が一巡し設備投資繰り延べ。正念場を迎えた。昨年11月9日の下方修正によるもので、一部回収不能債権を貸倒引当金に計上。追い込んだ需要期の後半水を差された。しかし、新年度以降強気。増収増益を目指す。第22回建築・建材展2016(3月8~11日東京ビッグサイト)に出展したEXジョイント、スリットみぞ蓋シリーズ中心に中長期需要増が見込まれるためだ。前回述べたように、2011年東日本大震災を口火に20年東京五輪、27年リニア開業、名古屋駅スーパーターミナル構想具体化。地元でも5月26~27日伊勢志摩サミット、21年に46年振りに三重国体(18年インターハイ)など追い風。首都圏(推定3~4割)のほか地元近隣(同1~2割)もロングランのビジネスチャンスとみられる。設計段階で持ち越した鋳造・加工設備延べ16億4000万円の投資出番待ち。中国リスクも部分対応により国内で吸収し問題ない。年明けから円高にかかわらず原材料高止まり、人手不足、マイナス金利の影響など景気下振れ。このため、サミットを前に消費増税見送り、補正追加、金融面でも政策期待が高まってきた。同社は桑名に隣接し四日市も目と鼻の先。小向(おぶけ)の砂が鋳型づくりに適し桑名の地場産業となり、四日市萬古焼のルーツとしても知られる。東海道53次で日本橋から42番目の城下町が桑名。1601年、本多忠勝が十万石の初代藩主(九華公園像)となり鉄砲の製造を奨励し400年余り。今でも東の川口に対抗し約30社(ピーク1970年代200社超)が健闘。2011年から桑名市、同商工会議所、三重県鋳物工業協同組合が伝統産業復活を目指して動き始めた。同社のフェイスブックで明らかなように、EXジョイントやマンホール鉄蓋、スチール製グレーチングなど切断、溶接、レーザー加工が印象的。持ち越した設備投資にひきかえ機械更新が欠かせないという。建設工事受注動態統計調査(2月分速報)によると、6兆3330億円(6.8%増)。元請4兆1210億円(0.8%増)、下請2兆2120億円(20.2%増)。2月まで2015年度累計81兆7770億円(6.9%増)と前年度1.7%増を上回りトータル堅調な見通し。相次ぎ大手ゼネコンの好決算が伝えられ、くい打ち特損20億円の旭化成(3407)も3期連続最高益の模様。踊り場をこなし次のステップに進むところだ。
2016年3月期(非連結)は、売上高76億5000万円(2.8%減)、営業利益5億1000万円(9.8%減)、経常利益4億5000万円(18.2%減)、純利益2億2000万円(14.5%減)に見直した。5月9日発表の予定。配当15円(期末7.5円)を据え置く。設備投資2億円弱。次期3~4億円の見込み。一昨年調整運明け。昨年から上昇運が定着した。近藤社長(60)も今年結果を出す見通し。繰り延べた鋳物・加工設備新ライン具体化が見もの。EXジョイントをはじめ製作金物がリード。2022年(創業100年)にかけて次の100年の架け橋になりそうだ。