ピーク更新射程圏 シンポ 3月24日 (2016.03.23)
3~4Q続伸強含み
焼肉ブーム半ばTPP批准まで
シンポ(5903・JQ)は急伸。フル稼働の折り返し。ピーク更新を射程圏にとらえた。2月1日の上方修正によるもので、大手チェーンや個人の出店増、既存店の改装など予想以上の受注が主因。主力の製品や部材品、据付工事など売り手市場。採算も一段と好転している。直近2月、延べ1000台受注をこなした模様。ピーク(2001年6月期1万2000台)と肩を並べる水準。収まりそうにない。無煙ロースター普及と牛肉の自由化(1991年)により2万5000に膨れ上がった焼肉店が全国焼肉協会設立(1998年)後受難。O-157やBSE、リーマンショック、食中毒に伴う法規制、東日本大震災など受けて1万5000に淘汰された。さらに、円安と需要増から子牛の価格が暴騰し記録的な高原価。にもかかわらず、現在2万まで戻したという。ダーウィンの法則通り適者生存。75%残り「半値戻し」を実現。失地回復とみられる。事実、大阪ミナミや東京六本木でインバウンドによる需要増とTPPで最も恩恵を受ける牛肉(関税38.5%)を巡り一部バブル化。おのずと波乱も考えられる。しかし、日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査によると依然高い伸び。2015年(暦年)全体の売上高が100.1%に対し焼肉108.7%。店舗数102.3%、客数103.9%、客単価104.6%そろってトップ。1月も全体の売上高105.3%に対し107.0%と30数ヵ月連続プラス。頭打ちどころか記録更新中。念のため、焼肉業界最大手叙々苑の出店状況を見ると、首都圏と7地方都市の直営店計59(昨年12月現在)に過ぎず、日本の焼肉が中国や台湾、タイ、ベトナムなど引っ張り凧。中国の販社(連結子会社)が行政と渡り合い苦労しているし、本社の海外担当もてんてこ舞い。嬉しい悲鳴をあげている。NHKの「マッサン」が日本のウィスキーを品薄にしたように、日本の焼肉ブームも和牛のブランド化に拍車をかけた。まだミナミ界隈でリーズナブルといわれ、1946年から現在のタレ発祥元という「食道園」と繁盛店づくり。共同研究を進める同社が再び脚光を浴び始めた。原価が上がりインバウンド頼みも泣きどころだが、O-157から東日本大震災まで丸10年の反動を乗り越え残るべきが残った。大手チェーンも国内の県庁所在地を目安に今後出店が見込まれブーム半ば。同社がピーク01年6月期(売上高43億8200万円、営業利益5億9200万円)を更新しても高水準。さらに続伸の公算が大きい。国内のほかインバウンド、海外の需要増に手ごたえ。TPP批准まで続きそうだ。
2016年6月期(連結)は、売上高44億7000万円(11.8%増)、営業利益6億9000万円(28.2%増)、経常利益6億9100万円(24.5%増)、純利益4億円(29.8%増)に見直した。配当は期末12円に戻す予定。3、4Q続伸とみられ強含み。GW明け、3Q発表が楽しみだ。前回述べたように、15年以降本格的な上昇運。田中社長(58) も同運で弾みがつきそうだ。このため、21年(50周年)をめどに名古屋工場増強を検討中。100年企業の次世代インフラに相当し、少数精鋭部隊が半世紀に一度パワーアップしそうだ。