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企業レポート

追い込みダッシュ 中央紙器 3月23日 (2016.03.22)

連結ピーク更新視野 

重点取り組みに徹し反転に意欲

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中央紙器工業(3952)はダッシュ。4Q追い込みに拍車。来期につながりそうだ。昨年11月5日の下方修正によるもので、自動車や電機関連など主要取引先の輸出減少や荷動き伸び悩みが主因。2月8日から1週間、トヨタ(7203)の工場全ラインが止まったのも響いたという。国内のほか香港、マレーシア、中国の合弁事業も踊り場を迎え踏ん張りどころ。新規及び増販、コスト競争力強化、海外事業の充実など重点取り組み事項に徹しており反転に意欲。常に連結増収増益を目指している。昨年11月「メッセナゴヤ2015」出展が一例。10周年を数え全国、世界から延べ1300社超参加した日本最大級の異業種交流展示会。同社のブースが大きい上、段ボールのカラフルなレンガもひときわ目立ち予想外の手ごたえ。幾つか具体的な商談が始まった。昨年ワールドスター賞13年連続受賞もそうで、前回紹介したエアロスリムブレードの逆舟形集合包装(材料29%・コスト15%削減、輸送・保管効率67%向上)が対象。今年もユニークな提案で日本パッケージングコンテストを沸かせるという。さらに、08年立ち上げたMCキャップシート(気泡緩衝材)が2月26日トヨタの原価改善優秀賞を受賞。品質、価格ともに折り紙つきだ。このため、反転を口火に2011年3月期の連結ピーク更新を視野。当時の売上高130億9000万円(営業利益15億2600万円)がトヨタの更新より4年早いだけに頼もしい。全国段ボール工業組合連合会によると、歴年で昨年の生産量100.8%(一昨年101.2%)。5年連続プラスだ。今年の需要予測101.2%に対し1月98.2%(確報)。昨年4月から持ち直し前年並みに漕ぎつけており2、3月正念場。リーマンショック直前のピーク139億6600万㎡(2007年)をピークに139億㎡の見通し。日本製紙連合会によると、紙1500万7000トン(2.2%減)にひきかえ板紙1156万8000トン(0.4%増)が今年の需要見通し。板紙の段ボール原紙がインバウンドや加工食品、ネット通販の増加で堅調を見込んでいる。しかし、同社のマーケットと一線を画すもので乗り切るほかない。ちなみに、前期の新規顧客31社(1億1600万円)。今期も小口ながら相当アタリがきている模様で反転のきっかけをつかんだ。

2016年3月期(連結)は、売上高118億円(3.9%減)、営業利益9億5000万円(2.9%減)、経常利益10億円(3.0%減)、純利益5億8000万円(8.0%減)に見直した。配当40円(期末20円)を据え置く予定。社運上昇中で2017~18年よし。富士の裾野を一歩一歩のぼるポジション。神谷社長(64)も再び上昇運。トヨタと同運でビジネスチャンスがやってくる。3月1日付けで横井常務(59)が香港の連結子会社総経理に出向となり、2017年(60周年)を目安に転機。10年スパンで100年企業の折り返し地点にある。勤勉な社風で期待をもてる。

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