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企業レポート

プレゼンス上がる エイケン 3月16日 (2016.03.15)

懸案の第8工場具体化 

ヤマシンと業務提携し可能性探る

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エイケン工業(7265)は踊り場。1Q減収増益となり慎重。前期予想を上回っただけに強気だ。頭打ちといわれる国内で付加価値の高い大型車用フィルター、既存品を改良した高性能フィルターが堅調。1Q 出遅れ気味の輸出も、前期最高(23億3700万円)の反動とみられ後半盛り返す見通し。これまで終始円建てで通しアジア、ヨーロッパに強い。純正にひきかえ補修用で国内、輸出ともに推定シェアトップ。2月15日、ヤマシンフィルタ(6240)と業務提携を発表。自動車のほか建機、産機向け油圧フィルターにも橋頭堡ができた。ヤマシンは昨年10月15日、2月4日下方修正しており同社を高く評価。提携の可能性を探っている。同社の場合、懸案の第8工場(第7工場西2000㎡)具体化が迫ってきた模様で、設備更新を加味すると延べ8~10億円規模。設立来の大型投資で100年企業の折り返し(2019年50周年)にふさわしい。人口約3万5000の御前崎市にとって後にも先にも唯一の上場企業。中電の浜岡原発再稼働を巡り県や市、地元住民と折り合いがつかず対立を超えた明るい材料。役員や従業員挙げて地元一色だ。リーマンショックにめげず、2010年第7工場着工に踏み切った英断を思い出した。09年1月就任した早馬社長(59)のリーダーシップによるもの。今回もそうで製造ラインのレベルアップ、プレス設備更新、海外の販路開拓など掲げ東奔西走。やがて発表される見込み。50周年にかけて上場直後最高になった売上高(56億1700万円)更新が目標のようだ。前期予想以上で従業員に決算賞与が出たほか、3円増配(18円配当)も株主を喜ばせた。リタイアした役員から従業員に手厚い陣中見舞いが届く一方、オーナーの未亡人がバレンタインデーに同じく特注のチョコを振るまったという。ほのぼのしていて愉快。役員や従業員、取引先にも求心力が生まれ様々な引き合いも寄せられている。フィルターに次ぐ燃焼機器部門。前期、売上高3億1200万円(5.4%増)、営業利益3800万円(16.6%増)を計上し復活の気配。かって長府製作(5946)、今でも三浦工業(6005)と取引がある。技術や品質を越えた信頼関係によるものだ。

2016年10月期(非連結)は、売上高53億円(横ばい)、営業利益3億8700万円(3.2%減)、経常利益4億0700万円(3.2%減)、純利益2億7200万円(5.2%減)の見通し。配当は期末15円に戻す予定。設備投資3億円前後(前期1億9000万円)の計画。今年から3年上昇運。早馬社長も再度上昇運でビジネスチャンス。実体経済を肌身でとらえ合理的に動いている。トヨタグループから受注しているプレス部品も3期目。地道にこなし実績を積む意向だ。前期よく伸びたフィリピンと落ち込んだロシアの受注が気掛かり。ヤマシンのように、グローバルニッチな存在が100年企業の布石。踊り場を迎えプレゼンスが上がり始めた。

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