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企業レポート

3Q巻き返し 藤久 3月8日 (2016.03.07)

一線越えた人材登用 

教えることに集中し既存店底上げ

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藤久(9966)はもち合い圏。前期反転し伸び悩み。出直しだ。昨年11月と1月の下方修正によるもので、リード商品不在に既存店の落ち込み(前半96.9%)が主因。3Q入園・入学など需要期を迎え巻き返しが見込まれる。事実、2Q累計(非連結)1.4%減収、営業損失1億5900万円の折り返し。計画より8.5%減収がこたえた。1月既存店が91.1%にとどまり2月以降底上げに意欲。店舗内ソーイングスクール(2Q 末242)、各種講習会の活性化が鍵を握っている。営業の抜擢人事や女性リーダーの登用など一線を越えた。総務省が3月1日発表した家計調査(2人以上の世帯)によると、1月の実質消費支出3.1%減。1世帯あたり28万0973円に後退した。東日本大震災の2011年3月29万1900万円を下回ったまま。年明け円高株安が響いたとみられ、原油安をはじめ海外要因によるもので我慢比べ。その点、生地(2Q累計102.3%)と和洋裁服飾品(同102.2%)が健闘している。前者はディズニーのキャラクター「ツムツム」関連、カット和調生地、反物衣料生地。後者ではミシン(同6.2%増)がソーイングスクール向けDMセールに手ごたえ。布用接着剤(同58.8%増)も目立つ。忙中閑あり、死中活ありだ。「ハンドメイド大賞2015」で応募総数約1万3000の中から大賞・アクセサリー部門をW受賞した「森の動物たちのぽんぽんブローチ」が一例。育成の声があがっている。前期末490店舗。期末500(出店28・退店18)に見直した。ソーイングスクールも新規抑制。教えることに集中し既存店底上げの構え。比較的規模が大きく品揃えのいい店が受けている。ひところ2000億円といわれた市場が推定1500億円に縮小。後半既存店を99.4%に戻し、修正予想の実現に全力を挙げるという。1月メディアに紹介された奈良県生駒市の「近畿編針」。素材すべて国産にこだわり、おしゃれな編み物を提供して創業100年。体当たりで顧客を開拓した尾山恭子社長(68)がオリジナル商品を開発し欧米にも販路を広げた。同社と交流が続いている模様で、今後コラボも考えられる。

2016年6月期(非連結)は、売上高223億9500万円(1.2%増)、営業利益4億2800万円(37.2%減)、経常利益4億3300万円(36.7%減)、純利益5700万円(79.6%減)に修正した。配当32円(期末16円)を据え置く予定。設備投資3億9400万円(前期5億1700万円)の計画。創業から見ると、昨年後半調整運入り。今年を含め3年続く見込み。後藤社長(58)も同運で踏ん張りどころだ。2022年(創業70周年)ターニングポイント。ビーズで最高益を計上した2003年6月期から20年の巡り合わせ。仕込み次第で相当なリターンも考えられる。

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