待ち遠しい年度末 太陽化学 3月10日 (2016.03.09)
通期でもピーク更新
創立70年、上場30年でめでたい
太陽化学(2902)は尻上がり。3Q連結累計4.5増収%、29.1%営業増益。計画に対し売上高75.4%、営業利益83.0%の進捗率。通期純利益もピーク更新の見込みだ。昨年10月26日の上方修正によるもので、主力の食品素材が国内外予想以上。円安で高騰した原材料値上げで吸収。さらに、中国子会社清算に伴う税金費用2億5000万円減少も手掛かり。前回述べた市場変化、グローバル化、品質管理など6項目の課題に取り組み結果が出始めた。ニュートリション(3Q連結累計45.1%営業増益)、インターフェイスソリューション(同23.4%営業増益)、アグリフード事業(同16.8%営業増益)そろって高い伸び。4Q 計画線という。明治(2269)や味の素(2802)、日清食品(2847)など食品大手得意先の好調を裏づけるものだ。昨年4月から機能性表示食品制度がスタート。2月にカゴメの「トマトジュース」4品目が出荷前年比328%と伝えられたように、同社も子会社のタイヨーラボが消費者庁に商品名サンフェノンEGCgカプセル(A76)、サンテアニン200(A99)を登録。今後区分、関与成分、表示しようとする機能性を通じて主な対象者に浸透する見通し。それに、昨年11月明らかになった阪大発ベンチャーのマイクロ波化学とショ糖エステル製造を目指す合弁会社(ティエムティ=資本金2億円)を折半で立ち上げたのが新たな材料。本社のある南部工場敷地内に11月稼働予定(昨年12月着工)で当初年1000トン生産する計画。伸びしろが大きい東南アジアの化成品・食品添加物の市場拡大に呼応するもので、これまで導入実績のあるマイクロ波エマルジョン法を本格投入。従来より高品質で高純度、反応部の消費エネルギーが半分で済むというのも魅力だ。海外がリードしているショ糖エステルを新技術で国内量産にこぎつけ、先行する三菱化学、第一工薬(4461)を追い上げる。軌道に乗ると、海外売上高が前期連結60億円(12.9%増)だけにインパクトが大きい。5月の伊勢志摩サミットは近鉄(9041)や三重交通(3232)と違って協賛のみというが、今年創立70年・上場30年を数え通期ピーク更新となればめでたい。65周年のように祝賀会・記念増配4円で収まらない。昨年から上昇運入り。山崎社長(60)も今年来年運気好調で追い風。何が起きるか待ち遠しい。年度末でなおさらだ。
2016年3月期(連結)は、売上高402億円(5.1%増)、営業利益26億8000万円(17.1%増)、経常利益26億7000万円(4.3%減)、純利益20億1000万円(18.8%増)に見直した。配当20円(期末10円)の予定。設備投資10億円(前期7億3200万円)の計画。年明け円高株安、原油安など一巡し上方修正・記念増配を期待できる。同社の場合、食品や医薬品、化粧品など大手メーカーの黒衣。不可欠な存在となり海外の伸びがポイント。2026年(80周年)にかけて素晴らしい10年になりそうだ。