計画にあと一歩 一六堂 2月23日 (2016.02.22)
既存店復活し出店再開
2025年にかけて黄金の10年
一六堂(3366)は誤算。前半連結予想を下回り後半追い上げ。通期で計画にあと一歩の模様だ。昨年10月9日の修正発表によるもので、中国株安・人民元安を伝えられた同8月がポイント。以来盛り上がりに欠け、同12月活気を取り戻したものの一進一退。今となれば、2月(期末)より3月(歓送迎会)に期待がもてるという。事実、今期の出店なし(計画3)。大規模改装5、業態変更3、契約終了に伴う閉鎖1。既存店の人的・質的見直しに傾注し、79店舗中手つかず3になった。大規模改装の場合、オープンから10年以上とM&Aでグループ入りした店舗が対象。1カ月程度休業するほか人件費、修繕費、原価も上がるなど持ち出しになる。しかし、実施後決まって増収。採算も改善し赤字店舗一掃が同社の真骨頂。前期名実とも無借金経営になり今期内部固め。踊り場と受け取れる。新宿で坪当たり10万円の賃貸物件が話題になり局地的なバブル。2020年東京五輪や27年リニア開業(品川~名古屋)など巨額の再開発計画を織り込んでいる。2月16日からマイナス金利になった。年初来円高株安に跳ね返り反動が予想される折り、今期持ち越した出店を再開する意向。前回述べたように、2017年度から三井不(8801)と東建物(8804)が約6000億円投入し八重洲口再開発計画を発表。50階建てビル2棟(250m級)になる見込みで現地調査の真っ只中。来年度以降、本社をはじめ近隣に集中する店舗も立ち退きを迫られビジネスチャンスがやってくる。1月25日発表された外食産業市場動向調査によると、2015年の売上高100.1%。ファーストフード97.4%、ファミリーレストラン103.8%。パブ・居酒屋94.3%。このうち、居酒屋92.7%。全体では1997年をピークに2012年底入れ。円安株高で3年ほど持ち直したが、居酒屋に限り市場縮小、異業種参入、若者の酒離れなど前年割れ。1992年1兆4629億円をピークに調整が続いている。しかし、同社は五輪、リニアを通じて復活のきっかけをつかんだ。傘下の100%子会社柚屋(ゆずや)が出色の高い伸び。06年9月青果物等の一括仕入れを開始。同12月に東京都中央卸売市場(大田市場)の売買参加権を取得し10年目。グループのほか外販も目立ち現在の売上高推定6億円レベル。10、20年後楽しみだ。
2016年2月期(連結)は、売上高99億200万円(3.3%増)、営業利益4億5900万円(2.3%増)、経常利益5億8100万円(10.1%減)、純利益3億700万円(0.7%増)の見通し。最後まで頑張るという。記念2円を落とし10円配当(期末5円)の予定。今年から3年運気好調だけに何か起きそうだ。柚原社長(49)も調整運明け。締めてかかれば問題ない。来期既存店が復活し、出店再開に漕ぎつける見込み。2025年(設立30年)にかけて黄金の10年になる。