岐路迎えた異次元緩和 誤り認めず強行すると安値更新 (2016.02.09)
週明け5日振り反発。売り一巡後下げ渋り後場一段高。円安に振れ主力に買い戻しが入った。前週末NYダウ211ドル安、円ドル116.95円を受けたもので、日経平均一時267円安。日銀がネガティブ金利を表明した1月29日の1万6767円を再び下回った。外為と株のアルゴリズム(計算方法)といわれ、HFT(超高速取引)のソフトにより、1円の円安で300~500円戻すプログラムが動いたという。日銀初のネガティブ金利が1週間持たず、市場に否定された矢先の反発。25日移動平均線1万7296円の戻りがせいぜいとみられる。8日、日銀が公表した1月28~29日の会合で主な意見に鋭い対立が見られ、今回も事実上4対4のまま総裁票で決着。ノーベル経済学賞のクルーグマン(62)と浜田教授(80)による「異次元緩和」が岐路を迎えた。昨年12月の米利上げと同様に市場が受け入れないためで、日銀がリフレ論の誤りを認めず強行すると2014年10月安値1万4532円更新も考えられる。受け売りだが、1990年代まで日本の平均世帯で可処分所得の8~10%貯蓄があった。しかし、退職者が目立つ2000年代から落ち込み、2010年1兆9000億円マイナス、13年3兆7000億円に拡大。65歳以上の年金世帯は厚生年金(月平均20万円)で足りないため、毎月5万円預金を取り崩しているのが現状。14年4月消費増税後の家計消費マイナス。直近、15年12月の実質消費も4.4%落ちた。この上、ネガティブ金利で消費や設備投資の回復を見込めないわけだ。マクロで見ても、世界的な資源デフレを一国のリフレ政策、ネガティブ金利で対応ができるわけがない。FRBや日銀が自分たちの現状認識や政策を変えないと、やり過ぎた緩和マネーの逆襲を受ける。その点、「リーマンショックは終わっていない」と述べる山内英貴説も傾聴に値する。中国政府が人民元をSDRに認められながら市場を管理できると考えているためで、このままいくと市場に負け米国と共倒れになるという。2日述べたように、1998年アジア通貨危機、08年リーマンショック、18年メガトン級の巨大危機といわれる。昨年12月FRB、1月に日銀も金融政策を誤ったため2~3月皺寄せ。2番底で収まらないと日経平均1万4500円。異次元緩和の振り出し直後、13年5月の1万2000円も視野に入る。連日50年か100年に一度といわれる天災や人災が頻発し今年峠の印象。1日たりともおろそかにできない。
8日の日経平均184円高。大引け1万7004円。TOPIX1380(+11)。東証一部の出来高27億3800万株、売買代金2兆5900億円。3月限が150円安で寄り280円高の1万7000円引け。10年債利回り0.040%(+0.015%)。上海総合休場(春節のため12日まで)。値上がり率ランキングによると、■■■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■■(****) 、■■■(****) 、■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■(****)など関係分。■■■■(****)、■■■(****)出直り。■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)見送り。■■■■■■(****)、■■■■(****)押し目買い。財務省が発表した2015年の経常黒字16兆6400億円。5年振りの水準。16年も改善が続きそうだ。(了凡)