統合が復活の決め手
トヨタグループと一体で様変わり
シロキ工業(7243)は活況。4Q追い込み急ピッチ。区間新も考えられる。昨年12月9日、トヨタ(7203)が4代目の新型プリウスを発売。生産に追われ人手が足りないためだ。燃費性能ℓ40㌔、クラウン並みの乗り心地。価格242万円といわれ、月4万台生産。注文殺到、半年待ち。半年続くという。コスト競争力を飛躍的に高め、ユニット単位で部品の共用化を進めたTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)なる生産革命。構成部品75%削減、ネジの種類13分の1に統一などザラ。部品メーカーが総力戦で開発した第一弾。シンプルな基本構造を極限まで追求したトヨタの世界戦略車。同社もアイシン(7259)との経営統合を4月1日に控え、小回りの利く画期的な製品を納入。体質が一変する見通し。昨年12月23日株式交換(比率アイシン1対シロキ0.074)契約締結。1月7日臨時株主総会基準日。2月24日株式交換契約承認臨時株主総会。3月29日上場廃止。株主交換の効力発生日4月1日に変わりない。公表通りだ。前回述べたように、昨年5月の修正発表でシート骨格部品事業をトヨタ紡織に譲渡し、今期特益15億円を計上するのも一環。来期ウィンドレギュレータ、譲渡分を除くシートリクライナ・アジャスタ、ドアサッシなど主力製品のほか、バックドア・トランクロックなどアイシンから相当な生産移管が見込まれ大幅増収。前回、営業最高益(2011年3月期64億円)更新が視野に入ると述べた。このため、3Q 助走に入り4Qダッシュ。統合後、トヨタグループと一体で様変わり。本決算発表(昨年4月27日)後、取材を通じて展望を明らかにする。2016年に調整から上昇運入り。松井社長(60)も同年結果を出す運気から統合成功。念のため、アイシンが今年運気好調で伊原社長(64)も同運のため確率が高い。外装や機能部品をアイシンから同社に集約し規模、体質ともに一変。変化率が大きい。年度末にかけて居どころが一変しそうだ。
2016年3月期(連結)は、売上高1316億円(5.1%増)、営業利益30億円(35.7%増)、経常利益28億円(4.5%減)、純利益33億円(91.7%増)に修正なし。配当5円(期末3円)に据え置く予定。設備投資61億2500万円(前期53億4100万円)、償却58億4400万円(同51億8100万円)の計画。海外に出遅れ価格競争にさらされたが、トヨタグループでシート部品の心臓部を担当し、13年にロック機構をレールに内臓した「スプリングロックレール」を世界で初めて開発。シートが衝突時に乗員の身を守るだけに注目された。今後、受注増とコストダウンが見込まれ相乗効果。価格が厳しい分ボリュームにインパクトがありそうだ。タイと中国が若干落ち込んでいるのに対し、インドとインドネシアが健闘。
小回りの利くシロキらしさが評価されている。3月で上場廃止になるが明るい。統合が復活の決め手になりそうだ。