中期計画フィニッシュ
グローバル化に伴うインフラ構築
CKD(6407)は計画線。昨年8月から踊り場入り。4Qフィニッシュに入った。グローバル化を盛り込んだ中期計画(3年)を実現するためで、1Q円安・原油安で飛ばしたものの2Qから逆風。連結2ケタ増収増益で折り返したが、その後中国株安・人民元安が円高に跳ね返り採算確保に追われている。中国や新興国の現地債権も気が置けないという。同計画は成長市場向け商品強化、海外・国内拠点整備、新事業育成など前期から尻上がり。連結売上高850億円、営業利益90億円(2016年3月期)を目安に前回射程圏と述べた。4Q次第で次期中期計画の軌道修正も考えられる。原油安の影響がナフサや鋼材など原材料に限られ、米利上げも響かない代わり、円高に伴う採算悪化と債権担保が悩ましい。上期の連結海外売上148億円(30.9%増)と最高。全体の32.8%を占め推定中国40%、アジア45%の構成。正念場に違いない。しかし、2016年から上昇運。梶本社長(59)も同運で23年(設立80周年)にかけて2度目の事業確立期。絶好のポジションにつけている。このため、主力の自動機械(2Q連結累計47.6%営業増益)、機器(同17.9%営業増益)ともに上り坂。3期延べ182億円の設備投資と86億円の研究開発投資などグローバル化に伴うインフラ構築によるものだ。自動機械でリチウムイオン電池製造システムが見送られる一方、薬品自動包装システムがジェネリック中心に絶好調。20年振りリニューアルした「エコブリスタ」(食品包装機)、三次元はんだ印刷検査機も堅調。機器では半導体製造装置や自動車業界向けが予想以上。今後、10年スパンでAI 、IoT、航空機関連の設備投資も見込まれ、連結売上高のピーク1042億円、営業利益129億円(07年3月期)が視野に入る。1月13~15日、東京ビッグサイトの「エレクトロテストジャパン」でオムロン(6645)と合同デモンストレーションも新たな試みだ。昨年8月、本社敷地に30億円投入した新工場でうなりをあげる薬品包装機、用途拡大が予想される食品包装機を見るとわかる。自動・省力化のうねりが世界的なもので先進国の更新や新興国の発展につきものだ。特定業種に偏らず幅広い事業領域で得意先を開拓する一方、これまでの納入実績をもとに保守サービスで顧客をフォローすると循環型が定着。原油安、中国株安、人民元安。さらに、円高をこなすと次の軌道が見えてくる。
2016年3月期(連結)は、売上高880億円(5.5%増)、営業利益90億円(7.6%増)、経常利益同(3.0%増)、純利益63億円(4.8%増)と従来通り。2円増配し26円配当(期末13円)の予定。設備投資69億円(前期55億円)の予定。来期、更新中心に50億円レベル。今年からトヨタ(7203)や東京エレクトロン(8035)の運気が強いため、どんな逆境も吸収できるはずだ。4Q、来期締まれば問題ない。