問題解決に程遠い円安 共同声明の賞味期限2週間 (2011.10.12)
3連休明けも乱高下。いきなり舞い上がった。インデックス商いによるもので、10日NYダウ、ナスダック、金・原油先物など大幅高。真空地帯だけに値動きが軽い。9日域内銀行増資で一致したドイツとフランス首脳共同声明、ドル・ユーロ買い戻しが手がかり。7日予想以上になった米雇用統計、フィッチのイタリア・スペイン長期債格下げを受けたもの。高寄り後伸び悩み一進一退になった。共同声明は10月末まで時間稼ぎ、雇用統計も大勢に影響なし。一時しのぎの円安とみられる。外資が如意棒で3日分値鞘を追っかけている印象。四六時中先物で掻き回し、国内勢と違和感がある。つまり、デクシア解体・国有化が決まり、ユーロ圏の銀行が資本増強しても問題解決に程遠い。増強余地が小さいうえ、不良債権がケタ外れ。域内財政も払底している。一度NYダウが最大の下落幅(08年9月30日777ドル安)を更新しないと収まらない感触。欧米白人エリートの思い上がりを修正しないと回るものも回らない。金融はゼロサムの世界。もともと付加価値を生まないためで、3日に日本の産業力を見直せと述べたばかり。外資が換金売りに追い込まれ、インデックスで日経平均を叩いてきたら買い下がり。今月中、再び下に振ってくる。共同声明は賞味期限2週間というわけだ。ところで、11日述べた日本のXデ―2025年説。ほぼ当確と考えられ、85年プラザ合意をピークに現在26年下ったところ。2020年過ぎから日本でも国債暴落、物価高騰、賃下げ、増税など暴動が起きるという。きっかけがリーマンショック。11日述べた給与崩壊に拍車がかかる。年金と医療制度の崩壊につながるもので、「消えた年収」(文藝春秋)によると、97年467万円だった男女合計平均年収が07年405万円(13%減)。今後も下がる見込み。日本の大企業を支える中小企業の90%以上が中国、アジアに出られず国内にとどまるためだ。問題なのが金型、工作機械を手がける中小工場の経営危機。廃業、倒産が相次ぎモノづくりの基盤が失われる。製造業の勤労者は1090万人で全体の20%といわれ、彼らの給与が崩壊すると、保険料で維持している年金や医療も財政破綻。政府は04年の年金改革により、厚生年金の保険料を14%から18%(17年)に引き上げるが、給与が毎年上がることを前提にしており、リーマンショックで前提が吹っ飛んだ。消費税を5%や10%引き上げても焼け石に水。日本人全体の年収は、98年222兆円をピークに09年192兆円と30兆円減少。全体で悪くなる一方である。
日経平均は168円高。週明け窓を開けて高寄りし8773円の引け。出来高15億6600万株、売買代金1兆1000億円。3連騰で390円上げたものの事実上空中戦。伸び悩むものが多い。■■■■(****)1776円、■■■(****)1638円、■■■(****)万1900円などひと相場終了し綾戻し。■■■■■(****)110円、■■■■(****)も戻りが鈍い。わずかに■■■(****)1410円、■■■■■(****)1765円、■■■■(****)392円がボックス圏で善戦。■■■■■■(****)1758円、■■■(****)397円、■■■■■(****)1万1450円も半端な戻り。外資、機関投資家の敗戦処理を物語るもの。いっそ ■■■■(****)324円、■■■■■(****)1556円、■■■■(****)504円に的を絞るのもいい。(了凡)