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企業レポート

ものつくりパートⅡ 岡谷鋼機 1月1日 (2015.12.30)

新事業・新分野に挑戦 

次期中期計画3月31日に発表予定

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岡谷鋼機(7485)は転機。次期中期計画を巡り踊り場。4Q詰めに入った。同計画は創業350周年(2019年)にかかるもので、新事業・新分野挑戦が盛り込まれ3月末に発表される見通し。現在、2011年に表明した“Gih‐15”(ジー・ダッシュ・フィフティーン)5ヵ年計画大詰め。グローバル(海外取引の拡大)、イノベーション&インベストメント(技術革新と戦略的投資)、ヒューマン・リソース(人材育成)を通じてものつくりに貢献し、最適調達パートナーを目指すコンテンツ。具体的に連結売上高1兆円、純利益100億円、海外取引30%以上を掲げ、前期純利益124億円、海外取引32.6%を実現。1兆円を持ち越した。同計画策定に向け、昨年6月からグループ挙げて研修活発。部門や子会社ごとに全員参加で「現状」と「あるべき姿」を討論。定性と定量の積み重ねにより具体的な目標が決まる仕組み。戦後70年、従来の原理原則が通用せず変化に適応を迫られる中で、現場の生きた情報が飛び交っている。昨年12月16日の米利上げ後、原油安、株安、中国経済の落ち込みなど専門家の予想を裏切るもので、価格変動の中で勝ち残る能力と柔軟性を問われる場面。その点、同社はものつくりがベース。事業拡大を見ても、打刃物商の鉄鋼(1669年)を振り出しに非鉄(1760年)、洋鉄(1888年)、メカトロ(1912年)、配管住設(1925年)、エレクトロニクス(1946年)、化成品(1948年)、建設・食品(1972年)が既存分野。いかにも堅い。現に、自動車関連向け設備・工具・機材販売が好調。子会社六合エレメックの健闘、同NaITO(7624)復活も伝えられる。海外でメキシコよし。マレーシアが輸入ライセンスを取得したほか、液晶から自動車関連に転換したポーランドが課題。やがて再建に成功すると倍返しも考えられる。つまり、1~2Q最高益だけに既存事業で回転が利いている。しかし、今後10年スパンで見ると既存の改良・改善だけでは物足りない。様々な現場でロボット、航空機ビジネスの声が日増しに強くなり、グループで小回りも利くところから新事業・新分野の目玉になっている模様。前者が生産年齢人口減とAI(人工知能)やIoTの進展によるもので、後者はMRJの初飛行成功をきっかけに航空機の産業集積が進む地元愛知県の地の利を見越したもの。受け売りだが、日本の製造業300兆円のうち44兆円が愛知県のものつくり。裾野が広い自動車関連産業の受け皿にもってこいだ。将来ボーイングやエアバス並みのジェットビジネスも考えられ、下請けから完成機に脱皮する夢もある。完成機の部品点数300万といわれ自動車の100倍。スケールのほかレベルも上がるため、全体のボトムアップにつながる。前者、後者とも現在推定10数億円のビジネス。取り組み次第で10~20年後様変わり。ものつくりパートⅡに入った。

2016年2月期(連結)は、売上高8100億円(0.8%減)に見直した。営業利益170億円(5.0%増)、経常利益200億円(2.4%増)、純利益130億円(4.2%増)従来通り。配当160円(期末80円)の予定。設備投資52億円(前期41億円)の計画。3Qは2Qの延長上。4Q 足元少し厳しそう。しかし、原油をはじめ資源安により交易条件の大幅な改善が見込まれるため、ファンダメンタルズが一段と好転。再びビジネスチャンスがやってくる。インドネシア子会社が4月にスラバヤ事務所を開設する。

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