4Q追い込む構え 名古屋電機 12月9日 (2015.12.08)
今期出遅れ来期明るい
信号との資本業務提携に現実味
名古屋電機工業(6797)は出遅れ。計画を下回る折り返し。3Q盛り上がりに欠ける。4Q追い込む構えだ。11月6日の下方修正によるもので、情報装置の案件進捗遅れと検査装置の苦戦が主因。ともに価格競争が続き人件費をはじめ固定費増も響いた。しかし、情報装置の大口案件を成約した模様で来期明るい。2月に発表した第一実業(8059)や8月日本信号(6741)との資本業務提携も後押し。来年4月創業70周年を控えきっかけ待ち。4Q尻上がりになりそうだ。事実、主力の道路情報標示装置が電機大手の参入もあり採算厳しい。検査装置も新製品投入が遅れ頭打ち。3Qに入り局面打開に明け暮れているのが現状だ。今期から、これまで5年第2の創業を目指し足場を固めた干場社長(67)のパートⅡ。全社一丸となって情報装置、検査装置、照明・車載事業を再構築。次世代のビジネスモデルを確立するのが狙い。インドのアーメダバードでゼロ・サムと組んだITS実証試験然り。道路情報板4基、画像カメラ14基で今年3月までテスト。今期から合弁事業(28.8%出資)が動き出したものの収益寄与に時間がかかる。おのずと第一実業から譲り受けた検査装置事業、日本信号と製品相互供給・共同開発・海外展開に現実味。今期から具体的な材料が楽しみだ。鉄道や道路など世界的なインフラ需要にこたえる上で日本信号と海外で連携できると面白い。70周年の節目で踏ん張りどころだ。特に信号の場合、背景と目的がはっきりしている。8月25日の発表によると、2020年が最終年度の長期経営計画(12年)に組み込まれたもの。道路交通市場でさらに事業拡大を図るため、道路情報板の製造販売に強みを持つ名古屋電機と協議を重ねた。結果、両者の営業的強みを生かした交通・道路管理者向け市場で販路拡大、製品ラインナップ拡充、海外で協業するなど資本業務提携に至ったという。当面、インドをはじめ海外案件が注目される。
2016年3月期(非連結)は、売上高168億円(12.0%増)、営業利益1億7000万円(68.6%減)、経常利益1億8000万円(68.5%減)、純利益1億6000万円(75.1%減)に修正なし。中間配当5円(創業70周年記念3円)、期末も5円の予定。来年、富士山の裾野を一歩一歩上っていく年になるという。同時に社長の運気が急上昇。パニックも考えられるといわれ興味深い。恐らく3、4Q次第。今期の仕込みがモノをいいそうだ。