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企業レポート

新業態が浸透 福島印刷   10月7日 (2011.10.06)

提案受けるDPサービス

印刷業界で一歩抜け出す構え

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福島印刷(7870)は続伸。新業態が浸透している。直近2期増収に転じ、官公庁向け事務通信やなどDPサービスが2ケタの高い伸び。従来のビジネスフォームや商業印刷の落ち込みを吸収している。このため、連続1円復元し5期ぶり10円配当を表明。リーマンショック、震災、円高を通じて一皮むけた。前期の受注高56億円(3%増)。このうちDPサービスが57%を占め、受注残も4億円(31%増)。提案営業が地についてきた。事務通信関連が自治体、金融機関、一般企業にも広がる一方、都市圏のDMニーズ取り込みに手ごたえ。他社の追随が気になるところだ。設備投資は今期4億円(前期7億4500万円)の計画だが、前期高速インクジェットプリンタ増設につぎ、8色印刷機や自動封入封緘機増設。出版・チラシ不況が尾を引く中で一歩抜け出す構え。中期目標(売上高58億円、380人体制)目前である。印刷業界は91年の9兆円をピークに現在6兆円市場といわれ、ペーパーレス・デジタル化に押されっ放し。中小が99%ともいわれ、バブル崩壊を通じて提案力が焦点になっていた。設計の標準化や生産・営業部門の連携も見どころ。生産前部門の生産性向上につながるという。

11年8月期(非連結)は、2%増収、営業利益3.7倍、経常利益4.7倍、純益6900万円とバランスを取り戻した。震災にかかわらず3月31日上方修正し、営業・経常利益が計画を上回っている。12年8月期(非連結)は、売上高58億円(5%増)、営業利益2億4600万円(16%増)、経常利益2億3200万円(21%増)、純益1億2600万円(82%増)の見通し。中間配当5円を実施する。08年(創業80年)が節目になった。10、11年調整運だが、来年後半から上昇運。5年続く見込み。6日268円(1株当たり純資産598円)で引けたが、水準訂正の余地が大きい。今期も3Q発表(前期7月1日)がポイント。トレンド好転とみられる。

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